(二)-6

 中は真っ暗で何も見えなかった。入口のドアの脇に灯りのスイッチがないか探ると、それらしき感触が指先にあったので、スイッチを入れた。すると予想通り、灯りがついた。

 そこは食堂だった。白いクロスが掛けられた長いテーブルが二つ、並行に置かれており、そこに椅子が並べられていた。

 食堂では夕食の準備は何もされてはいなかった。しかし、片方のテーブルの上には脱衣所にあったのと同じカゴが一つ置かれており、その中に衣類が入っていた。色などからすると、大隅が着ていたものだった。そのそばには油が入った大きな透明なボールがあった。油だけでなく、大きめのハケが二本、ボールに突っ込まれていたままだった。


(続く)

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