(一)-2

 しかし、既に夕方になっていることもあり、森の中は薄暗くなっていたと同時に、ひんやりとしていた。普段生活しているアスファルトとコンクリートで塗り固められた盆地の京都とは違い、心地よかった。

 小道は若干の上り坂を進み、また少し降ると開けた場所に出た。森の近くには切り倒されたばかりの木もあるなど、手入れがされているのが見て取れた。

 実際、生足ホットパンツに厚底サンダルを履いたギャルの大束おおつか咲来さきが、森を抜けたところにあった切り株に足を取られて転んだ。その切り株の断面は、まだ新しいものであった。


(続く)

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