(一)-3

 開けた場所の中央には、大きめの古い丸太小屋があった。この日信雄たちが宿泊するのが、この丸太小屋の建物なのだろう。さらに奥の方には一般家屋のような建物があった。この建物の外壁の一部はコンクリートがむき出しになっていた。きっと管理棟なのだろう。

 建物は古そうではあったが雰囲気はよく、六人は口々に感想を言い合っていた。

 建物を過ぎるとその先は大きく開けていて空が見えた。そちらの方に進んで行くと、信雄たちが立った場所は丘の上のようなところであったことがわかった。というのも、大きく開けている場所はちょうど崖になっていたからだ。そしてその崖の下は海になっていた。太平洋だ。


(続く)

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