森を抜けた先で

筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36

(一)

 送迎の車から降りた福島信雄たち一行六人は、国道沿いの駐車場から森の小道を入って行った。その小道の入口の足元には木製のプレートをくくりつけられた杭が刺さっていた。そこには「ホロプス山荘」と書かれていた。

 小道は狭かったが、草が刈られてきちんと手入れされているように信雄は感じた。森の中の雑草は、夏場だけあって伸び放題ではあったが、歩いて行く小道は草が刈られたばかりのようであった。

 午前中に新千歳空港へ到着した一行は、その後札幌観光をしてから特急列車に乗って東室蘭駅までやってきた。昼間は緯度の高い北海道とはいえ、日差しを受けながら歩くと汗ばむほどの陽気だった。


(続く)

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