第3話 漫画雑誌
七瀬。
彼女はかなり不思議な存在である。
コンビニスイーツを見ながらそう思う。
銀髪でメチャクチャな美少女であり.....庶民的な感じがする。
周りが、オイ。メッチャ可愛くね.....?、と言うのを全く気にもせず色々あるコンビニスイーツを見る七瀬。
「.....不思議ですよね」
「.....何がかな」
「いや。昔のコンビニはこんなの置いてなかったのに.....いつの間にか美味しいこういうスイーツが置かれた。.....何かその。画期的ですよね」
「確かにそうだね。.....昔はなかったもんね」
「千円ぐらい払えば.....コーヒーとお茶菓子代でお釣りが来ます。.....それがコンビニで出来る。未知な体験ですね」
七瀬はそう言いながら嬉しそうにコンビニスイーツを手に取る。
それから確認しながら好きなものを選んでいく。
俺はその姿を見ながら雑誌コーナーに行ってから少年漫画雑誌を持ってくる。
すると七瀬は、それは何ですか?、と聞いてくる。
「少年漫画雑誌だね」
「.....漫画.....」
そう言いながら七瀬は俺と漫画雑誌をチラチラ見る。
そして笑みを浮かべる。
私もその雑誌、買います、と言う.....え!?
俺はビックリしながら七瀬を見る。
七瀬は、クラスメイトが読んでいるものですから、と笑みを浮かべる。
「前から何だろうって興味があったんですが.....読んでなかったです。良いきっかけですので」
「.....そ、そうなんだね。.....じゃあ読んでみて」
「はい。.....特に何が好きなのですか?」
「.....なろう系.....異世界転生もの.....って言っても分からないよね。人が別の世界で.....架空のこの世ではない世界で生まれ変わって冒険するんだ」
「え?.....それは面白そうですね」
「えぇ!?.....そ、そうなんだね」
俺は更にビックリしながら七瀬を見る。
七瀬は雑誌を見ながら笑みを浮かべてからボソッと呟く。
そして、まあでも.....その。.....クラスメイトだからってだけじゃ無いですけどね、と言った様な気がした。
俺は、?、を浮かべて、今なんて?、と聞いてみる。
「え?.....あ。いや。何でも無いです。すいません」
「.....???.....う、うん。なら良いけど」
「.....私.....こういう文化.....あまり触れてないので」
「そうなんだね」
「はい。何と言いますか。.....色々と複雑なので」
言いながら複雑な顔をする七瀬。
俺はその姿を見ながら積まれている漫画雑誌を見る。
それから雑誌を一冊手に取った。
そして七瀬に渡す。
どんな形であっても今からハマったら良いと思う。
そう言いながら。
すると目をパチクリして俺を見てくる七瀬。
「.....俺は.....七瀬がこういうのに誰か同志がハマってくれるなら嬉しい限りだよ」
「長谷部くん.....」
「漫画って.....何か読んでいると忘れるんだよね。.....現実を。だから漫画雑誌をこれをきっかけに脱ぎ捨ててハマったら良いんじゃないかな」
「.....優しいですね」
胸に漫画雑誌を包み込む様にする七瀬。
俺はその姿を見ながらそのまま前を見る。
そして、俺は必要のある物は買ったから帰るけど.....七瀬はどうするかな?、と聞いてみる。
すると七瀬は、私も帰ります。.....家に姉が待って居るんです、と言いながら。
「.....ああ。お姉さんが居るんだね」
「そうですね。.....優しい姉ですよ。.....私を地獄から救い出してくれましたから」
「.....」
「その。姉は日本の東大の医学部に行くつもりなので忙しいんです」
「.....そうなんだね」
複雑そうに苦笑いを浮かべる七瀬。
それから、すいません。辛気臭い話になっちゃって、と言ってくる。
俺はその姿に、いや、と断りを入れてから、じゃあ買いに行こうか?、とレジを指差してみる。
すると七瀬は、はい、と言いながら買いに行く。
その時に、そういえば、と七瀬は俺を見上げてきた。
「.....昔のあの時と同じく優しくしてくれて有難う御座います」
「.....え?あの時?.....あの時って?」
「あの時はあの時です。.....アハハ」
「.....!?」
七瀬は、では、と言いながら。
それから踵を返してから行ってしまう。
俺はますますその感じに、???、と浮かべながら居たが。
まあ誰かと勘違いしているんじゃないだろうか、と思いそのまま俺もレジに向かう事にした。
そんな昔から七瀬は知らないしな。
そして買い物を終えて七瀬と一緒にコンビニを出る。
高校に入学したら入学したばかりで俺と釣り合わない銀髪の美少女に好き好きコールをされているが俺はこの娘全く知らないんだが アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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