4話 急展開(2)【R18表現あり】
「傑はなんでこういうことを?」
「僕のことどう思ってるの?」
質問責めにせざるを得なかった。
あのキスの意味は何なのか。
何が傑をあんなにも奮い立たせたのか。
熱く激しいキスに、僕の体は火照りを感じている。
下腹部がきゅんきゅんと疼き、まるで発情しているかのようないやらしい目で見つめていることを、僕は知らなかった。
「そんなエロい目で見るな。…涼と別れろ。」
「え、でも」
傑を見ると、冗談を言っているような顔つきではなく、本当に別れてほしいと言わんばかりの雰囲気がある。
ーーもしかして。
「傑、嫉妬してる?」
僕がそう言った瞬間、顔色こそ変えないが、傑の耳がりんごのように赤く染まった。
敷いてある真っ赤な絨毯と引けを取らないレベルだ。
「別に。」
絶対嫉妬してる!
でも、何で傑が嫉妬しているのか僕にはわからなかった。
僕のことが好きだからとか、さすがにそんな都合の良い解釈は無理がある。
「いいから黙って抱かれて。」
昨日から色々なことが起きすぎて、未だに目の前の出来事が信じられない。
ぼーっとしていると、マシュマロのように柔らかいベッドに押し倒されて、再び熱いキスが降り注がれた。
「んっ…、まって、だめ」
「だめじゃない。」
傑はかなり頑固な性格をしているのだ。
こうなったら、いくら言い聞かせても揺るがないだろう。
白いシャツを脱がされ、絹を扱うように優しく全体を隈無く舐められる。
かと思えば、ピンクの突起を強く吸われて舌で転がされる。
ぴちゃぴちゃという音が静かな部屋に響き渡り、恥ずかしくて傑の目を見られない。
「あっ、そこいぃ…っ」
好きな人からの甘い行為に頭が痺れ、曖昧な関係性であるのに、僕は体を許してしまう。
それに満足げな傑を見ると、もっと色々な姿を見てみたいという欲も出てきた。
「もう大きくなってる。」
ズボン越しにあそこに触れられ、少し撫でられただけでもすごく気持ちいい。
餌を前に我慢が効かない獣のように、荒々しく下着も脱がされ、ローションが落とされる。
冬はかなり冷たくて身震いするけど、今の季節だとひんやりして気持ちがいい。
「あぁっ…!」
ゴツゴツとした手で早く擦られ、想像の100倍気持ちよくて女の子のような喘ぎ声が出てしまった。
気持ち悪くないかなと思い、必死に口元を手で押さえる。
「押さえないで、可愛い声聞かせて。」
大好きな傑に耳元で囁かれ、敏感になってしまっている僕は、必死に快感に抗う。
ローションと液体が混じり合い、ぐちゅぐちゅという卑猥な音が徐々に大きくなってくる。
先端の方を執拗に弄られ、トロトロな我慢汁が溢れ出る。
気持ちいい波が限界を迎えそうになり、必死に傑の腕にしがみつく。
「あっ…ぅ、もうむり、イっちゃうっ…!」
「イけよ。」
「だめ、ああぁっ…!」
気を抜いた瞬間、弾けるように白い液体が傑の手を汚した。
気を抜いて気持ちよくなってしまった恥ずかしさと、とてつもない罪悪感で死んでしまいそうだ。
そんな僕とは正反対に、傑は涼し気な顔であそこをティッシュで拭いてくれている。
その精神力を見習いたい。
こういうさりげない優しさも好きだな。
「こういうことだから。」
「へ?」
僕は今さぞ間抜けな顔をさらけ出しているに違いない。
どういうこと?と突っ込みたくなる気持ちを抑える。
「えっと、傑は僕が好きなの?」
「嫌いだったら普通にちんこ握らないって。」
それもそうか、と危うく納得しかけたけど、好きと嫌いじゃないというものは天と地の差だ。
あんなことをされたから感覚が麻痺してきた。
「他の奴には取られたくない。」
ギシッとベッドがしずみ、傑の顔が近づいてくる。
反射的に目を閉じた瞬間、額に唇の柔らかい感触を感じ、キスをされたんだと理解した。
普通は、愛しい人以外にはそんなことを言わないし、口付けもしないと思うけれど、傑と僕とじゃ考え方が違うから。
今は曖昧な関係だけど、いずれ傑の口から好きだと聞けることを願う。
ここまできたら両思いと受け取ってもいい、のかな?
「ちゃんと涼には話つけとけ。」
「怒られないかな?」
「その時は俺からもちゃんと説明する。」
傑の真剣な表情から読み取るに、本気なんだと安心した。
涼には申し訳ないけれど、一緒に考えた作戦はばっちり成功したと言っても良いだろう。
心の中で涼に感謝を伝える。
「ほら帰れ、俺はこの後抜くから。」
「へっ?ちょ、押さないで!」
強い力で背中を押され、何も言えず傑の家を後にする。
言ってくれたら最後まで一線を越えても良かったのに、と思った。
しかし、いくら好きな人だからと言っても、安売りをしているようで少し恥ずかしくなった。
あんなことして、明日から普通に接する自信が無い。
今まで僕達の間には友情しか無く、今日のような
ことは以ての外だった。
ぐっと近づいた距離に自然と顔が綻びる。
最初は拒絶されるかもしれないと怖くて近づけなかったけど、さっきの出来事が嬉しくて今にでも飛び上がりそうだ。
そう、僕はすごく単純なのだ。
これから起こることも知らず、呑気に鼻歌を交えて帰路に就いた。
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