※名瀬家の空間純度、次元理論の解説
名瀬家の空間純度と次元の関係
Ⅰ)空間純度と色の関係:
名瀬家では空間純度は可視光の色に対応しており、赤から紫に向かうにつれて純度が高まるとされている。この純度は押し出せる空間の濃度や密度を表しており次元的な強さを示す。可視光線とは、電磁波の中で人間が色として認識できる範囲の波長の光のことでプリズムに通すと、「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」の七色に分けられる。
名瀬家の空間純度指数では「赤(紅次元)、橙(金木犀次元)、黄(
Ⅱ)次元の遷移:
赤から紫への遷移は、2.999999……次元といった仮想三次元から実際の三次元(=3次元)への極限的な遷移を示すものであり、この遷移は空間の現実性や物理的な実在性の度合いを反映する。
Ⅲ)青色の正体:
理論上最高純度は「紫色」であるが、人間の脳構造から得られる異能領域で演算が可能な上限は「青色」までであり、よって異能界では「青色」が空間の最高純度として知られている。
詳細や背景、詳しい経緯は本作の今後で描写していくが、名瀬統也が何食わぬ顔で使用している「青色」の『檻』は実は、扱える者が千四百年前の聖徳太子(名瀬一族の先祖)が最初で最後だと思われていた程の非常に高度な次元を有する。
作品内では『檻』蒼、もしくは「蒼」次元(通称、青の境界)などと呼称されている。この事実により、突如爆誕した蒼次元の後継者、名瀬統也は前代未聞の存在として異能社会の裏界隈で広まっていった。
これがどれほど凄いことなのか示すために明かすと、その一段下の純度「碧」次元を生得的に保有する名瀬杏子でさえ、名瀬家、異能界ともに騒がせた千年以来の逸材とされるほどだった。また、「黄色」でも「山吹次元」の優秀な名瀬家異能者というレッテルを無条件に張られるほどに高い能力値指数である。それらと比べると「青色」は、信じがたいほど高純度の次元である。
Ⅳ)茈次元(=3次元)の定義:
「茈次元」は、高純度「青色」を超えた超高純度「紫色」の次元を意味し、これは理論上の最高純度で実物の境界線を作ることができる極めて強力な次元だと言える。空間という箱そのものを押し出すことが可能。
茜の言葉を借りるなら「その最高純度を持ってすれば、これを前に不可侵な概念など存在せず、対象は絶対に抉られる」。
紫の三次元には「茈次元」と「菫次元」の二種が存在していて、赤みがかった紫がパープル空間(前者)であり、青みがかった紫がヴァイオレット空間(後者)と区別される。
攻撃としての効果と威力は完全な同一現象であるが、発動者と押し出す花形、術式構成のメカニズムが全く異なっている。
統也の父・名瀬
これは非スペクトル色や純紫軌跡、不可能な色といって実際の科学のお話。紫は人間の心の中にのみ存在する特殊な色で、それに対応する光の波長は存在せず、人間の脳は緑がなく、強い赤と強い青の光が混ざり合っているのを見ると紫を知覚する仕組みだとか。
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