中学生魔女ミウの工房~ウサギに誘われて異世界生活~
yocco
第1話 お姉ちゃんと私
「お姉ちゃんはすごいな! 有名女子中学校に受かるなんて!」
「さすが
我が家でホームパーティーが開かれていた。
お姉ちゃんの愛里沙が有名私立高校に受かったのだ。お父さんとお母さんが、お姉ちゃんの愛里沙を、これでもかというくらいに褒めていた。
そんな中、私は一人放りっぱなしにされているような感じがした。
──つまんない。
お父さんもお母さんも私を見ない。熱い目で見るのは、ほこらしげに合格通知をかざして笑顔でいっぱいのお姉ちゃんばかり。
うちはお父さんとお母さん、そして私とお姉ちゃんの二人姉妹の四人家族。お姉ちゃんの愛里沙は私と同じ公立の中学に通う三年生だ。
だけど、私とお姉ちゃんは違う。
お姉ちゃんは学校の優等生で人気者。
優等生で生徒会長、そして黒くて長いつやつやのロングヘアの美少女だ。優等生ってだけじゃなくて男子生徒からも学年問わず憧れの的で、しょっちゅうラブレターをもらって帰ってきている。
それに比べて私は平凡な妹の
髪の毛は薄茶色でくせっ毛。白い肌にソバカスが目立つ顔が大っ嫌い。成績は中の上で、運動もそこそこ。いわゆる、どこにでもいるような目立たない女の子だ。
だから、入学してすぐ、「愛里沙さんの妹さんね!」と注目を浴びたのが嫌でならなかった。しかも「愛里沙さんの妹」は現在進行形で私をしばる。
でも、私はとても平凡な女の子。お姉ちゃんに勝てるどころか、並べる才能は一つもなかった。
お父さんもお母さんも、学校の先生も生徒も、みんな私じゃなくてお姉ちゃんをほめたたえる。……私はいつもカヤの外。
そしてそれは今日の夕食も一緒。今日の主役は高校に合格したお姉ちゃんだった。
いっつも主役はお姉ちゃん!
──ああもうイヤだ!
私は、カチャンと、わざと手に持っていたフォークを大きな音を立ててテーブルに置いた。
「美羽? どうしたの? お行儀が悪いわよ」
お母さんがやっと私を見て、眉をひそめながら首をかしげた。
「……お父さんもお母さんも、お姉ちゃんがいればいいんでしょ! 私は部屋に行くわ。ごちそうさま!」
私はぷい、とお母さんから顔を背けて、椅子から立ち上がる。
「「「美羽!」」」
お父さんとお母さんとお姉ちゃんが私を呼ぶ声が聞こえる。だけど、そんなの振り切るようにして私は、自分の部屋に続く階段の方へかけていったのだった。
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