幕間2 〜???〜

 窓の縁に座り。

 月にぼんやりと雲がかかっている、薄明かりの夜空を見上げながら今日一日の事を思い出す。


 ……今日は非常に収穫のあった一日だった。

 剣術大会の、騒動の最中。

 そう長い時間ではなかったが、もれた魔力を検知して自分が探していた人物を見つける事が出来たのは非常に大きい。

 サルガス皇太子には感謝しなくてはならない。皇太子がいなければ騒ぎは起きなかっただろうし、それがなければ未だに彼を見つけられてはいないだろう。


 ……ただ、問題なのは彼に近い存在のリゲル王子か。

 接触を試みようとしても恐らくはリゲル王子の存在が障害になるだろう。今後は如何にして彼に接触するかを考えなくてはならない。

 ……出来る限り気付かれる事なく、秘密裏に物事は遂行させたいから。

 そこまで考えをまとめて、息をついてからゆっくりと立ち上がる。


「……時間がかかりそうだ」

 自分以外誰もいない廊下。

 自身が呟いた声だけが小さく響いた。

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