5 異世界でホームシックにかかる

俺は王殿にて、例の爺さんと水晶玉を挟んで向き合っていた。

「何度、やっても同じことじゃ!」

「そこをなんとかもう一回、ね、お願いしますよ」


「やはり、ステータスはなにも出てこんの。。。」

「そんな。。。」


相変わらず、俺のステータスはない。 残念だが今日の目的はそこではない

「なあ、爺さん。 俺たちをここに呼んだのって爺さんなの?」

「ああ? まあそういうことになるかな」


「そうか! じゃあ帰り方とかわかる?」

「帰り方? お前元の世界に帰りたいのか? 学校?とかいうのよりこっちが楽しいとか言っとったじゃないか」


「まあ、俺って言うよりみんなが、ね。 お母さんが恋しい〜とか言うやつもいてさ」

「そうじゃな、お前さんたちはまだ年端も行かぬ子供じゃったな」


「そうそう。ホームシックってやつだよ。 で、帰り方?わかる?」

「わからん」


「え?わからないの?」

「ああ、分からん。 召喚魔法は召喚するのが仕事じゃ。 返すことなど考えておらん」


「ええ〜そんな〜〜じゃあ一生俺たちここにいる感じ??」

「まあそういうことじゃな」


まあ俺はいいけど、タカシが帰りたがってるからな。。。

「そのしょうかんまほう、を作った人にきいてみてよ。帰り方」

「だから、知らん」


「だから、聞くだけ、ね?ね?」

「だから知らん、と言っとるじゃろう。」


「違う、爺さんじゃなくて、その召喚魔法作った人に。。」

「だから、知らん。作った本人が言っておるんだから、知らん」


「え? 召喚魔法って爺さんがつくったの?」

「そうじゃ」


「ど、どうやって?」

「過去の文献を参考に研究して研究して作ったんじゃ。」


「そ、その文献に書いてないの?帰り方」

「ない。 さっきもいっただろう。召喚魔法は召喚、つまり自分の元に呼ぶための魔法じゃ。 そのやり方しか書いておらん」


「そんな。。。」

「だからワシに聞くな。」


うーん、タカシたちになんて言おう・・・


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