人類史上最恐の凶器

金剛永寿

人類史上最恐の凶器

人類が長年文明と歴史を築き上げた過程で発明したモノは数え切れないほどある。

その歴史の中で、人類の生身のみでは補いきれない殺生能力を増加させ、獲物を殺生するための「武器」が発明された。

最初の武器は獲物を食料として殺生し、人類が生き残るための目的に存在した。

しかし、いつの間にか「武器」が向けられた先には獲物だけではなく... 「凶器」として同胞である人間が餌食になってしまった。


最初はただの争いだった。

しかし、争いが殺生ころしを生み出し...殺生ころされた人への弔いと憎しみが復讐が生み出された...

そして復讐の連鎖から逃れられない「殺し合い」がこの世に出現し...「武器」は時代に連れて形状が変わり、殺生能力も増していく。

次第に「武器」は「凶器」に変わり果てた。


人類は変わった「凶器」を使い、変わらない「殺し合い」を続け...

気が付くと...

最初の殺し合いは個人と個人から村と村に...

村と村は部族と部族に...

部族と部族は種族と種族に...

種族と種族は国と国の間の戦いとなり...

最終的には世界全体が巻き込まれた「戦争」と化した。


一方、過去の教訓から学習した人類は殺生ころしの連鎖から解放するために、人類が取った決断は「武器」の使用権限を設けることにした。

条約、法律、規制によって、「武器」の使用が制限され、結果的に「凶器」での殺生ころしが徐々に低減しつつである。

「凶器」による「ころし」から「武器」による「まもり」に変わり、世界は少しずつであったが、争いや戦争が減り、「平和」に近づいていると信じていた。


しかし...人類は忘れていた。

「武器」が「凶器」に変わる前に、否...「武器」が発明される前にすでに人類は最も恐ろしいの「武器」を持っている。

というより、発明した...してしまったんだ。


その「武器」の存在をはっきり自覚したあの日までには...人類はそれを使い続け、それによる「影響」がどれほどとてつもなく深刻で、今までの「武器」には比べ物にならない残酷なのか...誰でも気が付かなかった。


もし誰かに「」は何だと訊かれたら...

俺は即答でこう回答する。


「それは、です」...と

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