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あれから何日たっただろうか?1日?3日?それとも1週間?分からない。でももうどうでもいい。なんだかもう全てがどうでもよく思えてきてしまった。
学校へ登校する時、美奈は毎回俺に付き纏ってくる。どういう神経してんだ?そして校舎の前では宮川が相変わらず平謝りしてくる。それ辞めてくれって。迷惑だから。家では母さんと紗奈が毎日同じ笑顔を浮かべている。あんたらよくそんな顔出来るな。
「はぁ…」
俺は大きなため息を吐いた。それでも毎日なんとか生きていけるのは父さんの存在が大きいだろう。あの時、父さんは本気で俺を心配してくれていた。誰も信じないと思っていたが父さんなら信じてもいいと思えるかもしれない。だから俺は学習しないのだろうな。
「父さん…いつ帰ってくるんだろう」
そんなことを言ったその日の夜、父さんが家に帰ってきた。
「あ、あなた?どうしてここにいるの?仕事はどうしたの?」
母さんが困惑している。だが困惑の中に微かな焦りが見えるように思える。それは紗奈も同様だった。
「お、お父さん?随分早かったんだね?」
あぁ、やっと帰ってきてくれた。これで俺は…
俺は父さんが身につけているものから目が離せなかった。その一点に首を固定されているかのように。
「真弥翔…待たせてしまって済まない。もう大丈夫だ」
父さんが何か言っているが俺の耳には全くと言っていいほど入ってこなかった。
「え、なになに?どういうこと?」
紗奈が不思議そうな顔をしている。母さんも言葉にはしなかったが不思議そうな顔だ。
そこで父さんは無言でスマホを取り出した。そして俺の送った動画を再生した。
流れてくる音声は母さんと紗奈の甘い声。それとあの時いた静月と呼ばれる男の息遣いだった。
「ど、どうして…」
「いやっ、いやっ…違っ、これは…違うの…」
母さんと紗奈は顔面蒼白で何やらブツブツ言っている。、
「お前がそんなやつだとは思わなかったよ。私の会社の後輩とするなんて」
父さんが母さんに向かってそう言う。あの静月という男は父さんの後輩だったらしい。
「違うの…これは…違うのよ…」
何が違うんだよ。俺はそう思ったが母さんは違う、違う、とずっと呟くだけで他には何も言わない。紗奈も同じだった。この2人って本当に親子なんだな。それも血の繋がった。俺と紗奈も血が繋がっている。つまり母さんとも繋がっているわけだ。そう考えると気持ち悪くなる。あの二人と同じ血が体の中に流れていると考えただけで酷く気分が悪くなる。
「もういい。お前たちには何も求めない。慰謝料もいらない。ただもう私たちに関わらないでくれ。それだけだ」
父さんはそう言って俺の手を引いて家の外に出た。だがやはり俺は父さんの手から目を離せないでいた。そして俺は思い切って聞いてみることにした。
「…父さん。その手の…指輪は何?」
父さんの手には指輪がはまっていた。それも母さんがつけているものとは別の指輪が。俺は途端に嫌な予感がした。なぁ、嘘だろ?やめてくれよ。違うってそう言ってくれよ父さん。
「ん?あぁ、真弥翔にまだ説明してなかったな」
やめてくれよ?もうこれ以上は耐えられないぞ?
「実は婚約した人が居るんだ」
「…どういう…ことだよ」
「いや、前から惹かれてはいたんだが家に置いている妻のことを考えたら浮気は出来ないと思っていた。だが真弥翔、お前から送られてきた動画のおかげで私は決心がついた。だから私は日本に戻ってくる前にその人と婚約してきた。だから真弥翔も今から海外へ行こう」
なんだよそれ。つまり母さんがいながら他の人を好きになったってことか?あはっ、あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!
「うおぇっ!!」
俺はその場で盛大に吐いた。もうダメだ。耐えられない。
「ま、真弥翔!どうしたんだ?!」
傍で誰かが何かを言っているがもうダメだ。無理だ。無理なんだよ。
俺はもう…
【あとがき】
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