第5話 早出残業を認めないって普通に労基法違反だよな
就業時間1時間5分前についた僕は自分の机へ向かう。
佐々木さんも自分の机に向かっていた。
謝罪してから会話は無い。ニュートラルに答える僕に興味を無くしたらしい。
事務所では、バラバラと社員が居た。異様な光景だと僕は思う。
『だってこれ早出残業だよ?』
と心の中で呟く。
入社して以来上司には事務所には1時間前に来て営業のトーク術や取り扱っている商材について勉強しろと言われた。そうしないと営業はうまくならないと。
『でもこれって業務命令だよな』
と思ってしまう。
36協定を提出していて業務命令で1時間前に出社して勉強をするように上司が言っているのならばこれはれっきとして早出残業なのだ。でもこの時間分の残業代を支払われた実績など無い。
『早出残業を認めないって普通に労働基準法違反だよな…』
と心の中で呟く。これを上司に言及すると殺されてしまう可能性があるので絶対に言えないのだが、本当に気に食わない。
僕は、複合機のカタログを手に取って読み始める。
今日はこれで時間を潰そう。
そんな事を考えているとあくびが出た。
本当、面倒くさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます