特別授業

 私立成蘭学園に入学した天月空。私は今から一般入学した生徒のみが受けられる特別授業を受ける。


 「特別授業って何だろう、楽しみだなー」

 「あれ、もしかして特別授業受ける人?」

 私は後ろから声をかけられた

 「あ、はいそうです!もしかしてあなたもですか?」

 「はい、そうなんです。私は神野美奈(かんのみな)と申します。」

 「私は天月空です!よろしくね美奈ちゃん」お互い軽く自己紹介をして一緒に教室の中に入って行った。


 「席は自由みたいだね」

 「じゃああそこの席にしましょうか」

 席は決まっていなかったので私たちは隣同士で席に座った。間も無くして先生がやってきた。


 「はい、じゃあ一般入学した生徒のみが受けられる特別授業を始めたいと思います。今日は魔法について初歩の初歩を教えます。これを理解できればまずは方が普通に使えるくらいにはなれます。」

 「魔法が普通に使えるようになれるだって!頑張ろうね美奈ちゃん!」

 「はい!一緒に頑張りましょう!」

 

 それから授業は順調に進み、内容を略すと先生が言うには魔法を使うには強い想像力が必要とのこと。自分がどんな魔法を使っているのかまたどんなふうに使っているのか具体的に想像することで使えるようになるらしい。

 それから私たちは授業を終わり一緒に寮へ帰っていた。


 「想像力かー、悪い方ではないと思うけどそれでも使えないってことはまだ何か足りないんだよねー・・」

 「そうですね、先生も想像がしっかりできていれば簡単に魔法は出せるとは言ってましたからね。」

 「んー具体的ってどんな感じなんだろう」

 「できそうなことから想像してみるってことでしょうか。こう技からとかではなくてもっと簡単な風の魔法だったら物を浮かすとか火の魔法だったら小さいものを燃やしてみるとかですかね」

 「んー、そうだねー私も色々考えてみるよ。じゃあ私こっちの階だから」

 「うん、わかったおやすみなさい」私たちはお互いの部屋へ戻った。


 「想像力かー難しいなー、もっとリアルに想像しないとダメなのかな、でもリアルってどう言うことなんだろう」

 私はずっと先生に言われた想像力というもののことを考えていた。しかし、一晩中考えたが納得のいく答えが出なかった。


 「おはよう、空ちゃん」

 「おはよう、真奈ちゃん」

 「どうだった?昨日の特別授業」

 「全然わかんない。先生に想像をしっかりすれば魔法は簡単に使うことはできるって言われたけど何度試しても魔法が発動しなくて・・・」

 「うーん、私が魔法を使うときは本当に自分が魔法を使ってる感覚までイメージしてやってるかな」

 「魔法が出てる感覚かー、頭では魔法使ってるイメージしかなかったけど感覚まではイメージしてなかったかも」

 「じゃあ感覚までイメージしてやってみたら?」

 「そうだね!頑張ってみる!」

 その後私はいつもの授業を終え今日も特別授業へと向かった。


 「お疲れ、空ちゃん」

 「お疲れ、美奈ちゃん。どう?魔法出るようになった?」

 「全然、出る気がしないよ」

 「だよね。私もいろんな人に相談したんだけどなかなか使える気がしなくて」

 「今回の特別授業で何か感覚が掴めるといいんだけど・・」

 「そうだね。頑張ろう!」

 先生が来て今日の特別授業が始まった。今日の内容はこんな感じだった。

 魔法を使っているイメージがちゃんとできたらその次は使う時の構え、そしてオリジナルの技名を考えて言うこと、とのこと。どうやら技を自分で編み出すことによって基礎の技よりもっと簡単に出せるようになるらしい。

 無事授業が終わり、私は美奈ちゃんと寮に帰った。


 「んー自分のオリジナルの技名とそのイメージかー。よし決めた!私オリジナルの技名は(流星パラダイス)にしよう!効果は流星をたくさん降らせる攻撃魔法!うん!いい感じこれをイメージしてなおかつ感覚まで想像する!よし頑張ろう!」

 その後私は流星パラダイスを出せるよう何度も練習をしたがいまだに出せなかった。

 「だめだー、全然出せない。どうしようこのままじゃ置いてかれちゃうよ。もっと練習しよう」

 その後落ち込みながらも明日も学校があったためベットに入って私は寝た。


 「あ、おはよう。空ちゃん」

 「おはよう、真奈ちゃん」

 「どうしたの暗い顔して」

 「昨日の特別試験自分のオリジナルの技名と効果を考えてイメージしてやると基礎の技よりも簡単に出せるって言ってたから何度も試したんだけど出る気が全くしなくて」

 「あー、なるほど。自分のオリジナルの技かー確かに基礎の技より簡単に出せるかもね」

 「そうなの?」

 「うん、基礎の技は決められた技だから想像するのが難しいんだけど自分オリジナルの技ならイメージしやすいから出しやすいのかも」

 「なるほど、自分の好きなように出せるからか。真奈ちゃんもオリジナルの技持ってるの?」

 「う、うん。持ってはいるけどあまり使わないかな」

 真奈ちゃんは少し暗い表情で言った。私は不思議に思ったが何も聞かなかった。その後真奈ちゃんが別の話を始めた。

 「そういえば今日何の授業か聞いてる?」

 「え、今日の授業いつもと違うの?」

 「うん、今日高等部3年生の学年ランキングのランキング戦を観戦するんだって」

 「へー!3年生の試合が見れるの!楽しみ」

 「3年生には校内ランキング1位の鬼城院星羅(きじょういんせいら)先輩がいるんだよ」

 「鬼城院星羅先輩?」

 「そう、星の魔法を操る校内最強の人だよ」

 ・・・星の魔法、私が使おうと思っている技に近い。これを機会に何かわかるといいな。

 「?どうしたの空ちゃん」

 「あ、何でもない!楽しみだなー!先輩達の観戦」

 

 私たちは、先輩達の観戦をしに行くため体育館へと向かった。

 そこで私は鬼城院星羅先輩の圧倒的な力の差を見せつけられることになる。

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一般人が学校一の魔法使い目指します! @saya1010

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