第12話 茜と学校
今日はいつもの通り、茜と一緒に学校に行くつもり...なんだが、あれから、茜とは今まで一度も話していない。ご飯の時も『後で食べる』と言って同じタイミングでは、リビングにいなかった。
...まぁ、どうにかなるか。深く考えてもどうせ意味ないしな。
お馴染みの楽観的な性格により難しいことを忘れる。
「おはよ。」
そんなことを考えていると、後ろに茜がいた。
いつの間に降りてきたんだ!?
「お、おぅ。おはよう。茜。」
「何?なんか気持ち悪い。」
ねぇ、後ろの言葉言う必要あった?何気ない言葉で誰かが傷つくかもしれないんだよ。
「いや、考え事してて下に降りてきたの気づいてなかった。」
「へぇ〜、一ノ瀬のことでも考えていたの?」
茜は、少し低い声で脅すように聞いてきた。他の人から見たら、怒り出す瞬間のように見えるかもしれない。でも、俺は長年いたからわかるぞ。口元が緩んでいる。俺にイジワルしようとする時の茜だ。
こう言う時は冷静に答えたほうが、茜には
「いや、茜のこと考えていた。」
「へ!?えっと...へぇ〜、そ、そうなんだ。や、やっぱり、お兄ちゃんはき、気持ち悪いね。」
あれ?茜に攻撃したはずが俺の精神ゲージになぜかダメージが入っている?前は言われ慣れていたが、少し言われなくなるだけでこんなにダメージが入るとは。
「もう!!そんなことより、ねぇ、早く学校行こ。」
そんなこと!?今、現在進行形で兄が意気消沈中だよ!!少しぐらい慰めてもらってもいいんだけど...
「寝転がってないで早く用意して。」
「はい。」
我が家はいつも通りだ。
◇
「じゃあ、茜。またな。」
俺は、いつもの分かれ道で茜と別れようとする。この道は、俺の方が少し遠回りにはなるが、どちらも学校に着くことができる道だ。
「あの、またな。ここ、分かれ道だぞ」
「うるさい。黙って歩いて。」
茜が、別れた後でも俺の方についてきたのでそのことについて聞くと怒られてしまった。理不尽だ!
「また、前みたいに騒がれるぞ」
「兄妹なんだから、隠す理由もないでしょ。一緒に行って何が悪いの?」
「いや、まぁそうだけど...大丈夫なんだな?」
「大丈夫って言ってる。」
今日は、強情な雰囲気を感じたのであまり深くは言わないことにした。俺自身も、茜といる時間が増えるのは嬉しいしな。
♢
「茜さん?ここ、僕のクラスですよ。」
茜のしたいように一緒に通学していたら、茜は俺のクラスの中にまで入ってきた。
「朝礼始まる5分前には戻る。」
「めちゃくちゃ注目受けてんぞ。」
「知らない奴の目線なんてどうでもいい。」
かっこいい。後で使お。ってそんなことじゃなくて、前川がすごくいづらそうな雰囲気出しているもん。少しかわいそうに感じてきた。
茜と一緒にいることで周りのクラスメイトから小さい声で陰口を言われているのがわかる。
『アイツ、人の金取っといてよくあんなことができんな。』
『あの子可愛くね?なんか、弱みでも握られてんのかな?』
『どうせあの子も一ノ瀬さんと同じように命令されてるんでしょ。』
そんな声が、そこかしこから聞こえてくる。茜も聞こえてるようで、少し苛立ちながらも平静を装っている。
「で、一ノ瀬さんの方に行かないと約束して。」
茜が重々しく、口を開いたと思えばまだそんなことを言ってたのかよ。
オーディエンス達は、『一ノ瀬』と言う単語が出たことでより一層小声での会話が盛り上がっていった。
今日はめんどくさくなりそうな気しかしねぇ。
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長らく待たせてしまってごめんなさい。書けない言い訳も探してみたのですが何もありませんでした。ただ僕がサボってただけでしたね。
話の内容もあまり覚えていないかもしれませんが、引き続き読んでくれるとありがたいです。
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