第8話 モブの逆襲撃②

「失礼します。2-aの如月健人です。」


 そう言って、職員室に入ると中には俺の担任の的場まとば先生と一ノ瀬をいじめていた奈々ちゃんがいた。


(面倒ごとっぽいな…)


「…如月。佐川のことで何かしら心当たりはないか。」


 この状況から推察するに、佐川とは奈々ちゃんと呼ばれていた人物だろう。


 そして、おそらく佐川は俺を貶めるために何かしらの嘘を俺に言ったのだろう。


 どんな嘘を言ったんだ?


「えっと、心当たりがありません。」


「佐川は、お前に脅されてお金を奪われたと言っている。」




 成程。意味分からん。


 これで、どうやって勝てると思ったのだろうか?俺には、一ノ瀬さんという証人もいるのに…


「いや、それは一ノ瀬さんのお金で、佐川さんに無理やり取られていたので僕は一ノ瀬さんにお金を返しただけです。」


「…どういうことだ、佐川。」


「違います、先生。私が脅された時、一ノ瀬さんなんていなかったです。多分、如月は一ノ瀬さんと仲がいいから証人になってもらおうとしてるだけです‼︎」


「そうなのか。………如月、金を盗むのは犯罪なんだ。お前は、人としてはやってはいけないことをやってるんだ。」


 納得すんな。元の好感度の違いで佐川が信用されてしまう。


 的場先生は、中年の男の先生で、男女差別が激しいと評判だ。女子にはとことん甘いので今回の場合も証拠がないにも関わらず佐川を信用する。


 俺と一ノ瀬が仲良いの見たことあんのか、お前は。


「いや、違います。本当に一ノ瀬さんのを……」


「言い訳は後で聞く。この事で、佐川がどれだけ傷ついたと思っているんだ‼︎謝ることが最初だろ。」


「だから、してないんですって‼︎」


「分かった。お前がそこまで反発するのなら今日、放課後みんなに聞いてやろう。じゃあ、一旦この話は終わりだ。教室にもどれ。」


 そう言って、先生は何も俺の話を聞かずに職員室まで戻っていった。


「てめぇ、まじでどういうつもりだ?」


「べー、だ。あんたなんか地獄に落ちればいいのよ。」


 佐川は、そう言って走って逃げていった。


 こんな小学生みたいな奴に俺は嵌められているのか。情けないな…





 まぁ、なんにしても解決法を探らないと…









「おかえり。なんだったの?」


 一ノ瀬さんは、心配そうにこちらをうかがってくる。


「いや、なんもない。ただ、落とし物を届けられただけ。」


 無意識に嘘をついてしまった。もしかしたら、一ノ瀬さんとあいつ佐川を合わせたくないというのもあるのかもしれない。


 もしくは、弱い姿を見られたくないというしょうもない理由か。


「そうなの。それにしては長かったね。」


 俺のことをなにも疑わずに信じてしまう。そのことに少し心を痛めてしまう。


 だが、俺は一ノ瀬さんにバレないようにあの件について対処しないといけないんだ。


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 最近、2000文字書いていたのですが1000文字になってしまいました。本当に申し訳ございません。



 そして、もう一つ報告がありまして7月12日まで一旦休みます。理由としましては、今現実で忙しく4話ぐらい連続でその日のうちに描くハメになってしまいました。そのせいで、毎回自分では納得していなくても投稿してしまっているので、しっかり自分が納得する作品を投稿するために前もって作っておこうと思います。(もしかしたら、1話ぐらいは出すかもしれませんので気長に待っておいてください。)

 

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