第2話
私達のクラスは、学校の七不思議を題材にした、「帰ってきた花子さん」という、どこかにありそうなお化け屋敷をしている。私の担当は飾り付け。気乗りはしていなかったけれど、あちこちにみんなでお化けを作って、ぶら下げたり床に寝かせたり逆立ちさせたり(?)して、笑いながら写真を取りまくって、そんな、ありふれた青春の1ページを、私はいつの間にか過ごしていた。このままで、十分楽しい。これで、いいはずなのに…。
たったひとつのモヤモヤが、どんどん膨れ上がっていく。
「…ははっ。みんな、白だぁ。」
みんなの目元…いや、もう、口元のすぐ上まで覆ってしまっている、カラーフェイス病の色。それが、クラスメイトはみんな、白色だ…つまり、なんとも思ってない。無関心。仲良くしているように見えて、私にはなんの関心もない。
──やっぱり、二人がいないとなぁ。
私に関心を持っていてくれた、唯一の友達。彩花と、まり。私が落ち込み切っていたとき、手を差し伸べてくれたこの世に二人しかいない、私の親友。私にとって、おそらく最初で最後の親友だった──いや、最初ではないか。私の最初の親友は、きっと舞菜だ。私が何度も傷つけたから、私を捨てて行ってしまった、舞菜。もう一度会えるのなら…そして、きちんと謝れるのなら…私は、どんなものでも投げ出すのに。舞菜よりも大切なものなんて、この世界には無いから。
私が舞菜と出会ったのは、たしか、まだ幼稚園の時だったと思う。幼稚園の隅っこの、パンダやクマの置物と一日を過ごしていた私は、だいぶ他の子達から浮いていた。私の発する近づくなオーラを感じたのか、園児は誰ひとり話しかけてこない。そんな中、私に転機が訪れた。
「ねえねえ、さみしくないの?まいちゃんといっしょ、あそぼ!」
そうして、後光が差しそうなほどの“陽”のオーラをまとってやってきたのが、それからの親友、まいちゃんことまいなちゃんだった。
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