第20話 報酬は?
「な、なんでだ……死んだはずだろ……」
狼狽えている3人。ノゲイラは小脇に石板を抱えている。
「★★★★1回限りの復活が発動した」
「何わけわからんこと言ってるんだ!」
ノゲイラは腰に下げた剣で斬りかかってくる。
ハエが止まるようなスピードにしか見えない剣の先を指二本で掴む。
「な……」
ノゲイラは青い顔をしている。
「俺の動体視力は(特)だ」
「ぐぬぬぬ」
ノゲイラは今度は真っ赤な顔で力を込めているようだが俺の二本の指で挟んでいる剣を動かすことができない。
「俺の力はS+」
「くっそーーー」
そう言って剣を離すとノゲイラは側にいたアルルを引っ張って自分の前に差し出す。
「こいつをどうにでもしていいから俺の命だけは助けてくれ!!」
「ちょ!ちょっと!どういうことよ!!」
アルルは目を三角にしてノゲイラに怒っている。
俺は無表情でアルルの前に立つ。するとアルルが懇願するように話しかけてくる。
「ノゲイラよ! ノゲイラがあんたを騙そうって話をしたのよねオール!」
急に振られたオールは挙動不審になりながら答える。
「あ、ああ。全部ノゲイラだ。ノゲイラの所為なんだよ!」
「お、お前ら!!! 俺を何だと思ってやがる!!!」
狼狽するノゲイラにアルルが言い放つ。
「あんたリーダーでしょ! こういう時はリーダーが責任を持つんでしょ!」
「は? 普段はリーダーなんておもってないだろうが!!」
3人で言い合いが始まる。
イライライライライライラ……
「まだかなあ!! 早くしないと終わっちゃうだろフェスが!!」
俺がそう怒鳴ると3人はピタッと静になる。
「俺は報酬が欲しいだけ、金貨5枚今すぐくれよ!!!」
アルルがぼそっと呟く。
「……金貨5枚なんて今もってるわけないでしょ……」
「……え?」
「そりゃそうよ石板と交換なのよ報酬は……」
「……あ……じゃあ今は持ってない?」
「ええそうよ」
「だ、だったら俺がその石板を持っていく!どこだどこに住んでるんだ!」
ノゲイラが口を挟む。
「無理だ。俺たちもどこに住んでるか知らない。代理人を通してるからな。俺たちを殺したら金貨5枚は永久に手に入らんぞ……」
「今日金貨5枚手に入らないと何の意味もないんだよ!!」
俺がそう怒鳴るとビクッとする3人。
恐る恐るというような感じでノゲイラが話しかけてくる。
「お、俺は報酬がすぐに支払われるとは言ってないぞ……お前が勝手に勘違いしたんだろ……」
「……そりゃそうだけどさ……」
ちょっとホッとする3人。
ビシッと俺は右手を出す。
「じゃああんたらお金どれだけ持ってんの? あんたらが持ってるだけの金、今日のところはそれで勘弁してやるわ」
俺がそう言うとノゲイラは黒い牛革の鞄の中から銀貨10枚を出す。
「これだけだ。この間の報酬の残りだ」
「他には?」
「ない……」
「ほんとに?その鞄持ってきて」
そう言うと顔が青ざめていくノゲイラ。
「あ! 鞄の奥に銀貨20枚落ちてたわ……うっかりしてた」
そうやってわざとらしく言いいながらノゲイラが鞄を持ってくる。
鞄を渡された俺は隅々まで確認するが、もう金はなそう。
俺の手には銀貨30枚。
その瞬間に穴に瞬間移動。辺りはもうすっかり夜になっていて、あまり時間はない……最速ムーブで穴にお金を入れなければ!
持っていた銀貨30枚を穴に滑り込ませる。
『銀フェス10連を引きます』
いつもの文字が現れ、俺が頷くと紙10枚が穴から出てくる。
結果は……ゴミ6枚。★★3枚 ★★★1枚……
するとまた文字が現れる『銀フェスお疲れ様でした。明日から★★★★★無限収納、★★★★分身が期間限定で追加です!そして★★魅了耐性と石化耐性も追加されることが決定しました※★★は恒常』
え?期間限定?新規追加……?
偶然お金を落とした穴が実はガチャで課金して最強になります。 ぽいづん @poizun417
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