第85話 大物しか来ないよ…
話し合ってると僕の知らないことばかり出てきた。会場は何故か王城。
「わらわを見ないでくれ…。これはエクシアが言い出したことじゃ。アクアート家が進言したらしい」
マジか…。
「こちらは現在来られる方のリストですね」
とランナさんから渡されたのは大きな紙。
「これ全員…?」
「はい!他にも来られる方は増えると思います。その都度私とミコト様で判断させていただきます」
「どうしたんじゃ…?顔色が良くないぞ」
「う、うん大丈夫」
まずいまずい!
さっきミコト姉さんが言っていたメナスタシア、セムト、そしてミコト姉さんの出身地だというヤマトの人達が大物で後はカールさん率いる冒険者の皆さんかと思っていた。
「姉さん達の国以外にも隣国から…」
「そうじゃな。多くの国の重鎮が集まるな」
「騎士合わせて100名配備…」
「それは王城内での対応を任される人達ですね…各国の重鎮達が集まるので、狙う輩も少なくありません」
「刺客が紛れ込んでいるってこと…?」
「その可能性がないとは言いきれませんね。まぁ結婚式では良くあることです」
胃がキリキリしてきた。
大物しかいないじゃん…。知らない貴族ばっかだし…。
「でも、なんでこんなに王城は協力的なの?Zランクになる条件がエクシア姉さんより厳しいからてっきり悪魔を倒したことさえ認めてないような気がして…」
「それも色んな方向からブーイングがあったみたいで。英雄に酷すぎる対応だとアクアート家はもちろんあの堅物騎士団長からも進言があったみたいで…」
とランナさんが言う。
それはちょっと嬉しい。けどここまでしてくれるって相当あの人達、王様に言ったんだろうな…
それから打ち合わせは進んでいき、既に決まっていることが多かったからか、スムーズに終わった。
「今日はありがとうございました。また何かありましたらミコト姉さんにカラスを飛ばします」
「カラス?」
「エクシアが使う光の鳥みたいなもんじゃ。わらわはカラスで情報を受け取ったり、送ったりしている。」
「そういえばミコト姉さん達の国、ヤマトからも来客が来るんだよね。」
とリストを見るとムサシと書かれた人物が記載されていた。
「ムサシさんですね…」
ムサシと言われると剣豪みたいなイメージが浮かぶ。
「ムサシさんとミコト様は昔一悶着ありましたからね…」
「ランナ」
「一悶着って…?」
「ミコト姉さん、求婚されてたんです」
「え?」
求婚?
「ランナ、後でわらわと久しぶりに特別レッスンをしような?」
「ひぃ!」
「僕の勘だけど…ムサシさんって結構強い?」
「はい!めちゃくちゃ強いと言われてます!《刀》という剣に近いものを使うのが得意でミコト様とは剣技で同等の実力を持っております。それにしてもすごいですね英雄の勘は」
「ま、まぁね…」
ヤマトという名前も日本を思わせるようなフレーズだしね…。
こっちのムサシも剣豪か。
「もしかしたら取り返しに来たんじゃ…」
「その可能性はありますね。カズヤ様の刺客という意味では1番高いです」
えーこわいよー。相手剣豪だよ?
空間魔法の魔力探知で引っかかるのかな?
「大丈夫じゃ。わらわが全力で守る」
かっこいい…けど花嫁に守られるってちょっと情けない。
「ミコト姉さんはその人のことどう思ってたの?」
「妖狐族の風上にも置けないクズ」
おー結構ボロくそに言われてる。
まぁ結婚式で殺してくるようなことは…ないでしょう。この予想は大きく外れることをこの時の僕はまだ知らなかった。
《最近忙しく更新できてなくてすみません(;_;)来週末にまた帰ってきます。》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます