第84話 ミコト姉さん 実はスゴ腕経営者
「お待ちしておりましたミコト様。」
「うむ。連れて行っておくれ」
「かしこまりました」
と案内される。
長い廊下にはアストレルアの店にもあった編み織り機が飾られていたりとカート商会の商品が たくさん置いてあった。
長い廊下を歩いた先には大きな扉があった。
ミコト姉さんが扉を開けると
「ミコト様、何していたんですかー。もう私大変だったんですよー。アクアート公爵家も来るわ、私達の国でもミコト様がご結婚されるからで騒いでいますよ…って!」
急に僕に近づいてくる。そして僕の手を両手で掴んで
「英雄様じゃないですか!初めて見た…。
Zランク冒険者に出会えるなんて今日私ついてるなー」
と手をブンブン振られる。ちょっと痛いし、この人、気迫がすごい…
「ランナ、そこまでにしておくれ。私の大切な人を困らせないでおくれ」
「す、すみません!自己紹介がまだでしたね。私はランナ・ヤマブキと言います!」
「僕はカズヤといいます…」
ミコト姉さんの後ろに隠れる。
このタイプの人はちょっと苦手だ。
「とりあえず座ろう」
そう言って僕ら3人はソファに座る。
よく見ればソファも現代の日本に近い感じになっている。ちゃんと柔らかい。ベンチみたいなソファもあるからな…
「おほん、では私の役職はこの商会の副会長です。会長であるミコト様は職務放棄に近い状態なので、私が色々頑張っています」
「いつもありがとね」
「そう思うなら仕事してください」
とジト目でミコト姉さんを見る。
でもこれから旅をすることをランナさんは知ってるのかな…?
「これからミコト姉さんもっと来られる機会減ると思うんですけど、大丈夫なんですか?」
「大丈夫です。さっきはあんなこと言ってましたけど、カズヤ様と冒険者をやるって言われた時に既に業務は全て引き継いでいますので。今回のはミコト様が自分でやりたいと仰ったので任せているんです」
「そうなんですか…良かった…。もしかしたら僕のせいでランナさんに迷惑かけてないかと」
「いえいえ!お気になさらず!私はやりがいを持ってやっているので。しかも商品の案はカズヤ様から多く貰っていたようなので感謝しかないです!」
「ランナさんは会長にはならないんですか?」
最高責任者を出せ!と言われたら融通が聞かなくなる。
「ミコト様が立ち上げたものですから、会長はいなくてもミコト様がいいんです。ここにも居場所を作っておきたいなって…」
「わらわに気を遣うとはな…嬉しいぞ」
本日2回目の照れが見れた。
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