第80話緊急事態!?

姉さん達が帰って来て夕飯を食べ終えた後、

姉さん達は寝てしまい僕はと言うと…


「はぁ…あれは何だったんだろう…?」

1人、食堂の椅子に腰掛けていた。

あんなことがあったせいか寝れずにいた。

「だって…」

あんなことされたらね。


《ふふ、好きだよ》

マナ姉さんに数十分弄ばれた後言われた言葉。

あそこで良く耐えられたと我ながら思う。


だって途中から舌入れられるとは予想していないよ!

しかも前世で言えば僕は中3!

そういうことも知っていると分かっててされたのかと思ってしまう。

あの後も起きなかったらやばそうだったし…


今日の添い寝当番は偶然マナ姉さんだったけど

「今日は十分一緒に寝れたからいいよ」

と言って自分の部屋に行ってしまった。


仕返しに今度それとなく話してみようかな?

実は起きてたって言ったらどんな反応するかな?

楽しみだ。


「うん?」

ドアがノックされる音が聞こえた。

「こんな真夜中に誰だろう?」

気のせいでもいいやと思いドアを開けるとそこには


「さっきの…」

昼間に襲われていた子とその子の母親が立っていた。

「助けてください!妹が!盗賊にさらわれて」

話を聞けば、夜中に勢いよくドアを蹴破って入ってきて妹さんを堂々とさらって行ったらしい。

「お願いします!娘を助けてください!お礼はしっかりしますので!」


「お母さん、その傷は…」

「あ、これは盗賊に娘を取り合いになった時に…」

顔に傷がついている。

痣になっているところも見える。


「急いで行きます!息子さんに道案内をお願いしてもいいですか?」

「はい。私は構いません」

「お母さんはこの屋敷にいてください。入って奥の部屋に姉さん達が寝ているので事情を話してもらっていいですか?治療もしてくれると思うので」

「分かりました。息子と娘をお願いします!」

と頭を下げられる。


こうして妹さんを探しに行く。右腰にはいつもの短剣を携えてある。

魔剣もアイテムボックスにあるのを確認済みだ。

「お兄ちゃんこっち!」

盗賊が走って行ったという方向を追っていると

「あ!あの人だよ!」

下っ端のような人が1人逃げようとしてるのが見えた。

「よし!後はアジトに戻るだ…け」

「どこに行くの?」

「ひぃ!」

僕は新しく覚えた風魔法を実践してみた。

あの魔導書には書いてなかったけど突発的なスピードが出せた。

意外と便利だねこれ。

「お、おりゃー!死ねー!」

剣を振り回すがかわし剣先を持つ。


「お兄さんじゃあ僕に勝てないよ?」

直ぐに僕はこの人の背後に周り短剣を首元に近づける。

「お兄さん?子供をさらったっていうのは本当?」

「は?そんなこと知ら…」

剣先を首に当てる。少し血が出ている。


「本当のこと話さないと飛んじゃうよ」

「い、いや嘘だ!本当はアジトにいる!

ボスの命令なんだ!お前をアジトまで連れて来いって!」

僕をアジトまで…?なんで?


「ボスはお前をまとめてかかれば殺せると思って俺が走ってアジトまで誘導しようとしたんだ!」

こいつ全部喋った。

裏切りすぎじゃない?

まぁいいや。それなら


「じゃあ案内してよ」

「へ?ほ、本気か!?お前しぬかもしれないんだぞ?」

「僕がその人騎士団に突き出したいから連れてってよ」

こっちから行ってあげよう。

それにしても…この体勢もいい加減きつくなった。


エアーブロックを置いて首に短剣を当てられるようにしているからね。

まぁちょこっとダサいとは思うけど脅す時はこれがないと身長差が埋まらない。


「じゃあ、僕はこの人とアジトに行って妹さんを救出してくるよ」

それとアイテムボックスであるボールを取り出し、その子に投げる。

「これは…」

「それは結界魔法だよ。その真ん中のボタンを押せばどんな攻撃からも守れるらしい」

この子までさらわれたまずいからお父さんがくれた数個の古代アイテムのうち結界魔法を

発動できる物を渡した。


後、心配だから火の鳥をその子の上に連れておく。

「屋敷までの帰り道はこの鳥が案内してくれると思うから姉さん達にはアジトに行ってくるって言っておいて」

「妹をお願いします!」

この子はきっといいお兄ちゃんになるだろう。そう思って、時々逃げようとする奴を脅しながらアジトに向かった。


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