第78話【視点別】マナは寝かしつけをする
「マナ姉さん!風魔法教えてよ!」
お父様達が帰った後、カズヤがそんなことを言い出した。
「いいですよ。魔導書取ってきますね」
部屋にある風魔法の初歩的な内容が書かれている魔導書を持ってくる。
「入りますよ…?」
久しぶりにカズヤの部屋に入るから何か緊張する。
まだ公務していた方がマシかもしれない。
「あ、マナ姉さん」
「持ってきましたよ」
目を擦りながら言うカズヤを見て胸がキュンとする。
人間では15歳で成人だけど、カズヤは失礼だけど全然そうに見えない。
それがカズヤの魅力の一つでもあると思う。
「眠いのですか?」
「い、いやソンナコトナイヨ」
「絶対眠いじゃないですか」
と笑いながら言う。
「じゃあ久しぶりに読み聞かせしてあげましょうか?」
「お願いしてもいい…?」
「はい。任せてください」
2人でベッドに横たわる。
「まじまじとマナ姉さんの顔を見るとドキドキしちゃうよ」
「…!」
たまにどストライクにこんなことを言うから安心できない。
「マナ姉さん?」
「読みますから聞いててくださいよ!」
「うん、お願い」
そこから私はカズヤくんにその魔導書を読み聞かせした。初歩的な内容だったため、紙に書いて説明したりせずに済んだ。
「…。…ん」
「眠くなってきました?」
「ごめん」
カズヤの悪い口癖で良く、ごめんと言う。
「謝る必要はないですよ。そろそろここまでにしておいて、後はカーシャ達が帰ってくるまでお昼寝しましょう」
「うん…」
よしよしすると嬉しそうにする。こういう所が好き。
背中をトントンして寝かしつける。
いつも添い寝当番の時は抱きしめて寝ているが最近少し嫌がられている。エクシアやミコト、カーシャの時も最近そうらしい。
思春期…?というやつみたいだけどミコトの妖術で心の中を見ると、本当に嫌ではないみたい。このことは本人には内緒。
「私が隣にいますから安心して寝てください」
「おやすみ…」
数分くらい経つと寝息を立てながら眠ってしまった。
※寝たフリです
「寝ちゃったかな…?」
と唇の方に視線が行く。キスしたいな…。
初めてした時は軽くしか出来なくて今でも内心、不完全燃焼になっている。
もっと…。
気づいたら私は寝ているカズヤに覆い被さるようになっていた。
今、屋敷は2人しかいない。でも寝ている相手に勝手にするのはどうなのか。それでもエクシアばかりイチャついててずるいと自分の深い所にあった感情が湧き出てくる。
「いいかな…?いいよね?」
※まだ寝たフリをしていてしっかりと意識はあります。
私はカズヤの唇を堪能するかのように触れ合う。
まだ、あと少し…。気づいたら積極的になってしまい、長時間堪能してしまった
「はぁ…。起きてないよね…?」
※起きそうです。耐えてます。
「良かった…。もうやめておこう」
これ以上したら私が歯止めが効かなくなる。
「ふふ、好きだよ」
敬語で慣れてしまったけど、2年前のように自然体で話せる時がたまにあってもいいんじゃないかと思った。
「2人きり…の時とかね」
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