第77話魔導書が見当たらない
「マナは昔から研究ばかりしていて」
「ちょっとお母様…」
「確か、カズヤくんも勉強は得意なのだろう?」
「はい、マナ姉さん程ではないですができる方だと思います」
「マナはメナスタシア国でも博識な方だ。それと対等にやり合えるのは人間でもそういない」
「いえいえ…僕は…」
「この国にも学園があるだろう?私が推薦しようか?君にはちょっと物足りないかもしれないが…」
「大丈夫ですよ!僕は世界を見て周りたいので」
「そうだったね。すまない」
学園なんか放り込まれたら姉さん達と一緒にいれなくなるから行きたくない。
「でも、1つ気になることがあるんだ。君が何で優秀すぎるのか。失礼だがあの家にマナ達と住んでいた頃のイースト家を調べさせてもらったが…、お世辞にも勉強出来る環境は整っていない。その頃からマナと一緒に研究していたみたいだ。」
「つまり、僕がその前からそこまで知識を持っていたのが不思議ということですか?」
「そういうこと」
うーん、困った。そもそも実は転生者でーすなんて言いふらしていい物なのか。
すると、マナ姉さんが肩をポンとしてきて、
「私の親はカズヤのお父さんのことも知っているよ」
「そうなの!?」
「カズヤくんのお父さん?」
「うん。勇者だった人だよ」
マナ姉さんはお父さんと会った時のことを話してくれた。
「じゃあカズヤくんは最上級魔法が使えるのかい?」
「ファイアエレメントとアクアボールなら使えます…」
「すごいじゃないか!」
「まさかフェータさんは使えるのですか?」
「いやいや、私も大昔祖父に話を聞いただけでどんな物なのかも分かっていないんだ」
「そうなんですか…」
「しょんぼりしちゃってどうかしたのかしら…?」
「お母様、今カズヤくんは最上級の魔導書を持つ人を探していて」
「すまないねカズヤくん」
「いえいえ、逆に変な期待してしまった僕がいけないので」
長く生きてきたフェータさんですらあまり知らないとなると、その人達と出会えるのは遠い道のりのようだ。
「突然押しかけて悪かったねマナ」
「大丈夫です。手紙書いた時からこうなると思っていたので」
「カズヤくん、君ならマナを任せられるよ。これからもマナをよろしく」
「よろしくね」
と頭を下げられる。
「こちらこそこれからもよろしくお願いします」
と頭を下げる。
「それじゃあカズヤくん。メナスタシアに来た時は歓迎するよ。何かあったら私に頼ってくれてもいい。では失礼するよ」
といきなり風がフェータさん達を囲む。
風が消える頃にはフェータさん達もいなくなっていた。
「これって…」
「風魔法の応用みたい」
「風魔法なんてあったっけ?」
「木からの派生と言われていますね。風魔法の魔導書一緒に読んでみますか?」
「うん!」
その後2人きりしかいない屋敷でもう夕方ではあったが他の姉さん達が帰ってくるまで
イチャイチャしながらちょっと風魔法を覚えましたとさ。
~~~~~~~
「あなた良かったのですか?」
「何がだい?」
「最上級の魔導書ですよ。持っているのに知らないなんて言っちゃって。」
「あれはそう易々と教える代物ではない。それにタクヤもそれを望んではないだろう。」
「まぁそれもそうかもしれませんね」
「あの子がどこまでいけるのか楽しみだ。それに他の勢力がカズヤくんに気づき始めているのも」
「タクヤくんが勇者であることを認めない国もあったから心配だわ」
「大丈夫さ、彼なら。私達も困った時は助けに行けばいい」
「ええそうね。それにいい子ちゃんだったから今度会ったらよしよししたいわ」
「マナが怒るぞ」
今度ゼルトを行かせてみようか…?あいつもいい経験になるだろう。
《次回、マナの視点別があります。暴走します(何がとは言いませんが)。
お楽しみに^^》
追記:異世界ファンタジーの短編を現在書き進めています。7000文字程度になるかなと思います。
《仮「 最愛の師匠である姉さんが殺された僕は1000年修行してもう一度やり直す 」》
こちらもお楽しみに^^
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます