第76話エルフってみんな若い


マコロンの正体は前世で言うマカロンだった。

貴族のご婦人が営んでいるお店。だから普通の人はあまり買いに来れない値段ではあった。その人は僕を見るなり微笑ましい笑顔を向けてきた。僕が幼く見えるから勘違いされたのかな?

「何をお探しでしょうか?勇者様?」

「え?」


何故かその人は僕が悪魔を討伐したというのを知っていた。

新聞では僕の顔は出ていないので知らない人が多いと思ったけど…


「公爵様がお怪我されていたので詳しく聞いたんです」

それで公爵は部下に僕の顔を写真機で撮っていたらしく、僕だと気づいたらしい。

プライバシーは異世界では通用しないらしい。

「彼は勇者だー!と言っておりました。ですが、他の人には手加減してあげてくださいね」

「はい…気をつけます…」

少しお話して僕はクッキーとマコロンを購入した。

「ありがとうございました」

「また買いに来ますね!」

「ふふ、お待ちしております」


マコロンを抱えながら僕は屋敷に向かった。


道中、裏路地で

「おら!さっさと立てよ!」

「こいつを連れてくぞ!」


僕と同じくらいの子を蹴り飛ばしたりしてる大人を何人か見かけた。

「おじさん達何をやってるの?」

こいつらがやってくることは当然アウトだ。

「あん?何だお前?」

「こいつの仲間か?」

「ならこいつも連れていけば報酬上乗せかな?」

と襲いかかってくる。


僕はアイスウォール×3を使う。手加減手加減。

おじさん達は下から出てきたアイスウォールを対処出来ず、奥に飛ばれされた。

「痛った!」

「なんだよあいつ」

「おじさん達…初級魔法なんかにやられてんの?」

「くっ…!このガ」

僕はおじさんが言い終わる前に短剣を持ち顔の前で寸止めする。


「さっさと消えてよ。弱いものいじめしか出来ない惨めなおっさん?」

「あいつ…一瞬で」

「兄貴!ここは一旦引き上げましょう!」

「お前、覚えておけよ。後に面倒なことになるぞ」

と言って立ち去っていった。


「大丈夫?」

「うぅ…」

随分痛そうだ。

僕はアイテムボックスからポーションを取り出す。

「口開けれる?」

彼は口を開けた。そこにポーションを流し込む。

「これで良し」

「…、ありがとうございます」

「どうして殴られたりしてたの?」

「わからないです。妹と家の前で遊んでいたらいきなりあの人達が来て…」

妹さんは家に引っ込めているから大丈夫みたいだ。


「何かあったらまた言ってね?いつでも助けに行くから」

その後、家に妹さんがいることも確認して僕は再び屋敷に向かう。

「本当にありがとうございました!」


また何日かおいてまたこっそり様子を見に来よう。

少しは年上っぽくできたかな?


部屋に入るともう来ているみたいだ。

「マナ姉さん!紅茶に合うお菓子を…」

「さっきぶりかな少年?」

「お知り合いだったのですか?」

「さっき私にぶつかってきた人だ」

さっきのエルフさんがまさか推薦人だったなんて…。

僕はマナ姉さんの隣に座る。


「自己紹介が遅れてすみません。僕はカズヤです」とペコリ頭を下げる。

「はは、礼儀正しくありがとう。私はメナスタシアの現国王、フェータ・メナスタシアだ」

「皇后のマリー・メナスタシアです」

「はい?」

現国王…?????


とてもその年齢には見えない。

だって30代…いっても後半くらいにしか見えないからだ。

「エルフの人ってみんなお若いのですか?」

「成長は早い方ではあるが老化は極端に遅いと言われているね」

「へ、へぇー」

納得はできていない。



《お久しぶりです!まだテスト期間中ですがとりあえず1話作りました!次は来週末くらいになりそうです。投稿頻度が遅くて申し訳ないです( . .)"》






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