第71話家族会議

「エクシア!あなたはいつも主様を独り占めして…」

「そうだよ!ずるいよ!」


朝から何か騒がしい。

目が覚める。

「え…?」

「おはようございます。カズヤ?」

マナ姉さん?

ミコト姉さんとカーシャ姉さんまでいる。

「あの…これは…」

「カズヤ、正座してください」

「はい?」


隣にはエクシア姉さんがベッドの上で正座している。

「あの…マナ姉さん?これは違くて…」

「正座…って言いましたよ?」

怖い…。

僕は大人しく正座する。


「主様、何故こんなにエクシアと密着しながら寝ているのですか?そしてその首についているものはなんですか?」

「え?」

首についているもの?

カーシャ姉さんが、鏡を出して見せてくる。

首にはキスマー…ク?


「カズヤくんがつい可愛くて…」

エクシア姉さんダメだよ。

原因エクシア姉さんじゃん。


「まさか…!もう一線を…」

「越えてません」

「超えてないの?てっきり私もう越えてると思ったけど」

とカーシャ姉さんが言う。


「それはエクシア姉さんのお父さんに婚約を認めてもらってからで」

「婚約…じゃと?」

「あ」

しばらく黙っておこうと思ったのについ口が滑ってしまった。


そのまま僕とエクシア姉さんは

食堂に連れてかれる。

王都にあるこの家はかつて住んでいた迷宮都市アルトレルアにあった屋敷と造りが似ている。

まぁミコト姉さんがそうなるように作らせたらしい。お値段は多分金貨5000枚はいく。


「さて、どういうことじゃ?主様?」

「私達は怒ってたりしませんから、ちゃーんと、一から教えてください」

「そうだよ!教えて!」

カーシャ姉さんは怒ってないと分かるけど、あの二人は…怒ってる。


「実は…」

と昨日のことを包み隠さず話した。

「確かに条件は厳しかったしな…」

「それでカズヤはZランクになるって決めたんだ」

「うん。Zランクになればエクシア姉さんの負担も減らせると思うし、これから色んな国に行った時も名が通ると思って…」

「国外に行ってみたいの?」


そう。僕が異世界に来てからやりたかったこと。色んな国に行ってみたい。そしてたくさんの人と交流して前世ではあまり楽しめなかった分、楽しい人生だと胸を張って言えるようになりたい。


お父さんが言っていた最上級の魔導書を持つ人も探したい。


「姉さん達がいた国にも行ってそこでの文化とか知りたいと思って…」

カーシャ姉さんの出身、獣人ばかりの国やエルフの国、ミコト姉さんの出身の日本に似た国も気になる。


「それはいいのう。わらわも久しぶりに行ってみたいな」

「でも、そのために推薦者を集める必要があるんでしょ?」

「うん。Zランクに何としてでもなりたいんだ」

もう意思は固まった。後は行動に移すだけ。


「その前にさっきの重大な件ですが…」

とマナ姉さんが言う。

「さっきの件って?」

「《婚約》です!エクシアだけ勝手に抜け駆けして…私は認めませんよ!」


「抜け駆けのつまりじゃあ…」

「まぁ、確かに抜け駆けじゃな?」

「私は別にいいけどね〜」

「…?」

抜け駆けって…何のことか良く分からない。


「抜け駆けってどういうこと?」

「それは…!ほら、あれですよ…?カズヤが最初誰に告白するかという…」

要約すると、僕が4人の中の誰かに告白するまで待つということだったらしい。

でも、エクシア姉さんは自分から告白したから抜け駆けだと思われたらしい。


「マナ姉さん達のこともちゃんと好きだよ?」

「「「…!」」」

これは嘘偽りのない言葉だ。


「そう…そうか。それなら問題ない」

ミコト姉さんに頭を撫でられ、


「それなら、わらわとも婚約せぬか?」

「え!?」

僕はあまりにも衝撃的すぎて言葉を失った。




《旅に出るのはもう少し後のお話です…。まだやることがいっぱいあるので!》

ちなみに…

金貨・・・だいたい1万円

銀貨・・・だいたい1000円

銅貨・・・だいたい100円

読んでいただきありがとうございます。星☆や応援コメントがあれば励みになるのでお願いしますm(_ _)m





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る