第70話いつもと違う添い寝

「じゃあ僕は自分の部屋に…」

と手を離そうとする。

「ダメ」

もうそろそろドキドキしすぎて心臓が破裂しそう。

「今日の添い寝担当は私だよ?」

「あ…」


添い寝担当なんてもう自然消滅したのかと思った。というかもう、うやむやにしてやろうと思っていたのにここで出てくるとは…


不敵な笑みを浮かべたエクシア姉さんに再度部屋に連れていかれる。

「よいしょ。じゃあ、寝よっか」

「はい…」

流されるままにエクシア姉さんの隣に寝る。


シングルベッドに2人はちょっと狭い。

「ふふ、カズヤくん可愛い〜よしよし〜」

と抱きしめながら頭を撫でられる。


外では他人に冷たいエクシア姉さんが今こうであることを知っている人は少ないだろう。

でも…

「かっこいいの方が…」

可愛いも嬉しいけどやっぱりかっこいいって言われたい。

「十分かっこいいよ?」

「…!」

男子高校生(元)にはその笑顔やめてください!


真っ赤な顔を見せたくないので背を向けようとするがガッチリ抱きしめられているので無理だ。

「好き」

「僕も好き…」

この温かさが良い。


「キスしよ?」

「うん…」

僕はなんの迷いもなくキスする。

ずっとキスしてたいが呼吸が苦しくなる。


「鼻で呼吸するように意識して?」

「分かった」

それからしばらく情熱的なキスを交わす。


「あ…」

「うん?」

キスが止まる。僕は健全な男の子なので当然この先もしたくなってしまう。

エクシア姉さんも多分気づいていると思う。

「この先もしたいな…」

それとなく伝える。

「ダメ。まだ早いよ」

「でも…」

ここでお預けはきついよ…。


「私もその…したいけど…。でも、この後のことはちゃんと婚約してからにしよう?」

貴族の女性は婚約する前に体を交わる行為はNGなのだとエクシア姉さんは教えてくれた。

「ごめんなさい。何も知らなくて…」

「ううん、気にしないで。でも嬉しかった。カズヤくんが私を求めに来てくれて」

ギューしよ?と言われ、なんの抵抗もなく抱きしめる、抱きしめられる。


「まぁお父さんが反対してきたら私が斬り伏せて2人で逃げ出そう?」

「ダメだよ。そんな事したら僕達犯罪者だよ〜」

と2人で笑う。

「半分冗談だけど半分本当。反対されたら、さっさと縁切って婚約も出来るから」

「だけどちゃんと親から祝福された方がいいと思う」

公爵家の人達も自分の娘と会えなくなるのは寂しいだろうから。

僕は家族がいなくなる思いが分かるから言えることだ。


「朝までずっと抱きしめ合って寝てようね?」

「うん…」

「ふふ、かわいい」

こうしてミコト姉さん達が朝ベッドを囲むように立っていることも知らずにただエクシア姉さんの温もりに包まれて寝た。



《これからイチャイチャ回は多めになると思います…

投稿があまり出来てなくてすみません(;_;)

それでも応援して頂いてる方には感謝しかないです!》

読んでいただきありがとうございます。星☆や応援コメントが励みになるのでお願いします

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