第四章婚約騒動!?

第67話昇格するにしても一筋縄ではない

あれから1週間が経った。

悪魔がやられてからは僕達が倒していくことで3日もしないうちに敵が白旗を上げた。

貴族達は騎士達と捕縛、王都まで連れていく。


僕達のパーティーは悪魔を倒したとして大いに称えられた。

ゴーンさん達のパーティーも同等くらいの貢献はしていたと思うのに

「俺達は何も出来なかった。あの時俺達の無力さがよく分かった。だから褒められるほどでもねぇよ」

と言って報奨を断ったらしい。


その後僕達はランクが上がるという話になり

ギルドマスターであるカールさんの部屋に来ていた。


「まず、エクシアはZランクのままで問題がミコトなのだが…Sランクのままになる」

「え!?ミコト姉さん、結構貢献しているんじゃないの?」

「貢献度で言えばエクシア、マナ、カーシャと変わらない。が、Zランクまでの貢献度ではないと判断された。後もうちょっとではえるが」

「ほう。まぁ妥当じゃな」

どうせならZランクに上げればいいのに。お偉いさんは頭が固いなと思いながら聞く。


「マナはAからSでカーシャはBからAに昇格になる」

「そうなるとやっぱり…」

「昇格試験がある」

「前回はみんな降参したから楽だったけどねー」

普通ランクが上がる時は昇格試験があり、現役の該当ランクの冒険者に勝たないといけないという決まりがあるらしい。

Cまではなく、Bに上がる時からある。

姉さん達が相手する人はみんな降参を宣言したらしく実質戦わずに昇格できた。


「今回はSランクですから…」

「ゴーンが相手するって言ってるよ」

「ゴーンさんがですか!?」

あの斧をぶん回す人はどう見てもマナ姉さんと相性が悪すぎる。

「まぁマナ。ゴーンも多少は手加減するって言ってるから」

カーシャ姉さんの相手はまぁまぁ強い人らしい。でも召喚魔法も使える決まりなので勝てる相手とカールさんは言った。


「じゃあもう練習場にゴーン達がいるから試験を受けてきて」

「えー今から?」

「マナ姉さん、カーシャ姉さん頑張って」

「頑張ってきますね」

「まぁボコボコにしてくるか」

と言って部屋を出て行った。


「さて…最後はカズヤくんなんだが…」

とカールさんが資料をペラっとめくる。

正直Aランクだと予想している。あわよくばSランクいけたらいいなくらいに…

「Sランクは確実だ。」

「やった!Sランク!?」

ミコト姉さんと一緒でつい嬉しくなる。

「昇格試験も受ける必要が無い。ゴーンが既に負けだと言っているからね」

あの時模擬戦で勝ったからかな…?

と内心めちゃくちゃ喜んでいると追い討ちをかけられる。


Zにもなれる」

「え?」

僕がZランク…?何かの聞き間違いかと思っていた。

「当然じゃな。主様はそれくらいの貢献度はある」

「いや、そこまでないよ…」

「Sランクまでの昇格はエクシア達と同じ、敵を倒し、貴族達を捕縛できたことにある貢献度。それに加えてカズヤくんは悪魔を倒した功績でZランクになれる貢献度を得ている」

「でもそれって助けがあったからできたことで…」

と言うとエクシア姉さんに手を肩にぽんと置いて

「カズヤくんが頑張ってくれたから倒せたんだよ?」

と言う。


「Zランクの条件が単独で深淵層の探索が可能なことにある。カズヤくんはあの強さのある悪魔を倒したことによりその条件を満たしていることになるんだ」

「でも、Zランクになるためにはが必要なんだよね?」

「そう。今回は特例過ぎる。一気に4ランク上がり、しかも元イースト家の人間。そんなやつがZランクにふさわしいのか?と貴族の中では言われているらしい」

そうだ。僕は元であってもイースト家の人間。本来なら国外追放があってもおかしくない。

「君の境遇は王様に前から伝えてあるからご理解いただいている。そのため元イースト家の人間でも国外追放はしないと仰られた。」

「良かった〜」

「悪魔を倒した人を易々と国外追放したら争いの火種にもなるからね。それで推薦者は普通、権力を持つ2人からの推薦があれば認められる。が、今回は王様から条件が出された」

僕は固唾を呑む。


「1つは推薦者が2人から4人。その内1人は私がしよう。だから3人の権力を持つ人に頼まないといけない。ギルドは各国にもあるからどの国の権力者でもいい。私もできる限り過去の伝手を使うが難しいと思う。

2つ目はどこか貴族家の家の養子に入れ、だそうだ。元イースト家という響きは良くないとお思いになられている。

それが払拭できれば貴族達も黙るだろうというお考えらしい。」


推薦者を3人とどこかの養子に…。

貴族家でこんないわく付きの人間を養子にする人がいるのか…?

「わらわが推薦者ではダメか?祖国ではだいぶ権力を持っておるぞ。今は欠席中だが」

とミコト姉さんが言う。

師範代ってそんな権力あるの…?

「一理あるけどSランク冒険者がZランクに推薦するという構図はおかしいと言われてしまう。第一祖国から家出してきている権力者が推薦はきついと思う」

「私が1人頼めるかもしれない」

「ほんとに!?」

「エクシア、まさか…もう勘当同然になったはずじゃあ…」

カールさんが反応する。

「カズヤくんの話はあの時してある。そのカズヤが悪魔を倒したことも知っているはずだからきっと…」

状況がいまいち掴めない。

「エクシア姉さん…やめておいた方がいいんじゃあ」

複雑な理由があると思った僕はエクシア姉さんに無理をさせてはダメだと思って問いかける。


「大丈夫。後でカズヤくんにも話してあげるね」

と言われる。

エクシア姉さんの今まで隠された秘密を知ることになるとは思わなかった。

そしてこれから思わぬ方向に行くともこの時の僕は知らなかった。



《4章はちょっとラブコメ?恋愛?要素が高めです^^》

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