第61話 最悪の再開

《最初少し残酷な表現があります。ご了承くださいm(_ _)m》




街に向かうとそこは壊滅状態になっていた。


これはひどいな…

見て!

カーシャ姉さんが指で指した方向には


「た、助けてくれ~!」

ある騎士に1つの黒い光が貫かれる。

その人はその場に倒れ込む。


僕は自然と足が動いた。

助けないと。あの人が死んでしまう。

「カズヤ!行くな!そいつはもう息してねぇ!」

「ふはは、まったく中央軍もたいしたことないな」


その後ろには見覚えのある人が立っていた。

「エドワード兄さん…?」

「兄さんなどと呼ぶな。虫唾が走る」

僕を忌み嫌っていた一人、イースト家の跡取りであるエドワード兄さんがいた。


「君が殺したのかい?」

カールさんが聞く。

「ああ、そうさ。すごいだろ?悪魔の力っていうやつは」

「悪魔と契約でも結んだのかい?」

「力は必要だ。それだけで周りから認められる。だから俺は手段を選ばねぇ。おかげで闇魔法の上級まで使えるようになったよ」

「なんでこんなひどいことするの?」


すると僕を嘲笑うかのように

「そんなの親父に認めてもらうために決まってんだろ。俺はこの国を新たな国にして次期王になるんだよ」

「人を殺して何とも思わないの…?」

「思うわけないだろ。こいつらは国の駒だろ?俺が強い駒だっただけ。」


この人にも帰る家があるんだぞ…!待っている人もいる。

僕はこんなやつと一緒に何年間も暮らしていたのか。


「お?やるのか?初級魔法しか使えないお前が俺に勝てるのか?」

多重詠唱、サンダーボール

僕は魔法をあいつにぶつける。


「ふん、そんなの俺様の魔法で…」

絶対仕留める。死んでも償えないことをしたこいつを許せなかった。

「な…!」

サンダーボールを一つ打ち消せなかったみたいだ。しかも僕は既に背後をとっていた。

この一撃にこめる!

僕は剣をあいつの首に向かって振りかざす。


「くく、惜しかったですね。後ちょっとで自分の兄を殺せたのに」


僕の振りかざした剣は兄ではない違う人に受け流されていた。


「それにしてもあなたがなぜ勇者の剣を持っている?ああ、なるほど、そういうことか。

どおりで魔力が似ていると思いました。」


この気味の悪い人は誰だ…?

でも明らかに強いってことは分かる。

すると地面から勢いよく尖った木の幹がその人の心臓貫いた。

カールさんの魔法だと気づいた。


「まぁあのドラゴンもいるとなるといるよね、エルフくん?もうおじいさんになりましたかね?」

「まだ寿命は長いからおじいさんなんかじゃあありませんよ」

「そうですか。」

「あいつ、生きてやがる…!」

ゴーンさんも驚きを隠せていない。


「それでもあなたは凡人どまりのようですね」


カールさんが凡人。

その言葉で理解出来た。なぜお父さん達は倒せなくて封印したのか。


「今はまだ力が戻ってはいませんが十分です。あなた達を倒すくらいには。今の人間がどこまでの力があるのか楽しみです」

「なぁ、どおせならこいつらに中央軍の弱さ見せておこうぜ。」

「それはいいですね。」


「行かせるわけなかろう?」

翼を広げた二人にミコト姉さんが毒針を飛ばす。


「ほう?妖術ですか。久々に見ました。」

それをすんなり払い除ける。

「北門に来てください。まぁ、来なくてもいいですけど、そうなると全滅ですかね。」


そう言って北のほうに向かって飛んで行った。




《最初の方しか書かれてないので忘れたかもしれませんが、カズヤは「三男」です。そうなると…?その人の行方はお楽しみに^^》

読んでいただきありがとうございます。星☆や応援コメントが励みになるのでお願いしますm(_ _)m


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