家から追放され、パーティーにも見捨てられたけど、昔助けた姉さん達と成り上がります！

第58話敵の間を通り抜ける方法

「カールさん！」

「カズヤくん、どうしたんだい？」

「あまりにも敵多すぎませんか？」

「確かに、これは多いな…」

「もうこのまま無理やり突破するってこと？」

カールさんは話が早い。

「けど、方法が思いつかなくて…」

今は外側から攻撃しているけど、

敵の真ん中になんて入ったら強いカールさんでも死んでしまうだろう。

「レッドに火を吹いてもらうとかどうかな？」

とカーシャ姉さんが言う。

「それなら、走り切れそう？」

「中の状況も知りたいからね…。じゃあ、馬車を呼ぶよ」

「けど遠くから馬車狙われたりしない？」

「それはわらわが守ろう」

「そんなことできるのミコト？」

「妖術を結構使うがお札を介するから問題ない」

「よし、それじゃあゴーン。みんなを集めて」

「分かった！サトキチ！カイ！マーレ！１回集まれ！」

「分かったよ！」

「おい、なんだ？あいつら固まり出したぞ？」

「今がチャンス何じゃないか？」

「魔法使い、範囲魔法を…」

その瞬間空から火が降り注ぐ。

「みんな乗って。ミコトは…」

「わらわは上に乗るぞ？」

と高く飛び馬車の上に立つ。

馬車の中だが、上で何やら呪文を唱えてるのが分かる。途中矢がミコト姉さんの方に行くが、エクシア姉さんが中から魔法で撃ち落としている。

「へぇー。そんなこともできるんだ。すごいわね」

「氷魔法は結構便利よ？マーレも使ったら？」

「私は雷が好きだからいいわ」

そして、何やらバリアみたいなのに包まれる。

「お前ら！中に入るぞ！」

一気に走り抜ける。

レッドが先行して火を吹いて敵を散らしてはいるがそれでも攻撃を受ける。

「バリア、すごいね…」

「ミコトがこれ程のことが出来るとは思わなかった。妖狐族の妖術はあまり知られてないからね」

「そうなんですか？」

「ああ、私も数百年生きてきたがあまり情報がない」

と教えてくれた。

「門が開いた？」

「開けたら、敵入ってこない？」

「大丈夫。レッドが何とかしてくれるよ」

馬車が門の中に入った瞬間、敵が攻めようとしてくるが

「なんだ、こいつ！？」

「ドラゴンが邪魔で中に入れないぞ」

「魔法、打て！」

「そんな魔法、我には効かん」

レッドのおかげで敵に攻められることなく中に入ることができた。

「カール殿」

「あなたは？」

「失礼した。私は中央軍第三部隊隊長ビィンセントだ。あなた達のおかげで北門は我ら騎士だけでも対応できるようになった」

「今の状況は？」

「中央に本部があり、そこで説明する」

「分かりました」

ビィンセントさんはゴーンさんまでは行かないが体格はガッシリとしていて鎧もつけている。

「何が中央軍よ。私達が頑張ってたのに自分達は退けちゃって」

「まぁまぁマーレ。今まで耐えてきて負傷者の手当てもあるだろうから…」

「…」こくり、こくり。

「あまり大きな声を出すと怒られるぞ」

ゴーンさんの声が1番大きい…というのは口が裂けても言えない。

いくつもの大きなテントが建てられ、負傷している騎士も見える。

「では私は本部に行く。大人数で行っても仕方ないから…カズヤくん、来てくれるかい？」

「僕ですか？」

「君は私と違った思考の持ち主だと思うからね。頭の回転も早い」

「それだったらマナ姉さんの方が…」

「ほらほら、シャキッとする！リーダーでしょ！」

「私より優秀なのはカズヤしかいませんよ」

褒められるとちょっと照れる顔を必死に抑えつつ、

「分かりました」

と僕はカールさんと一緒に本部に行く。