第55話僕の実力はどのくらい?

「おはよう」

「おはよう、姉さん」

まだ日も出ていない。


「忘れ物はないか?」

「うん!」

「おー、カズヤとミコトじゃん」

「カーシャ姉さん!おはよう」

「おはよう。ふわぁ〜眠い。だいたい早すぎるんだよ」

「我の召喚士がこれでは先が思いやられるぞ」

「そんなことないよ〜」

「今からお主達を呼びに行く所だった。もうだいたいは馬車の乗り合い場にいるぞ」

少し遅かったかな?


僕達は馬車の乗り合い場まで行く。すると、

「おー!来たか!」

「おはようございます!」

「元気がいいな!」

「本当朝からうるさい男。サトキチ、カイ。私達は荷物を積むわよ。どうせあの男はしないから」

「へい!」

「…」こくり。


「じゃあ、僕達も…」

手伝おう。そう言おうとした瞬間。

「ちょっと待て少年」

「はい?」

「俺と手合わせしねぇか?」

「はい!?」

「ちょっとゴーン。子供相手に朝から何しようとしてるのですか。王国騎士に捕まりますよ」

とカールさんが言う。

「ちげえって!あいつらはただ者じゃねぇって分かるけどよ、この少年がいまいち分からねぇんだ。そんなやつを戦場に出したらすぐ死ぬだけだ。俺はそんなのこりごりだ」

ゴーンさんなりの気遣いなのだろう。

でも、僕も覚悟を決めてここに立っている。


「今のカズヤくんとあなたとでは互角ですよ」

「え!?」

そんなことないと、鑑定する。


ゴーン・アルベス

【族】人

体力:8600/8600

魔力値:280000/280000

攻撃力:4230

防御力:3600

素早さ:1500

賢さ:980

【適性武器】斧、大剣

【属性】火 、土

【習得可能】なし

【習得済み】上級:ファイアバースト、ストーンクラッシャー

中級:火、土全種

初級:全種

【称号】屈強な戦士 Sランク冒険者


姉さん程ではないけど、だいぶ強い方だよね?

攻撃力も高いし。Sランクという名があるのも納得だ。


「まぁ手合わせくらいならいいのでは無いか?」

とレッドが言う。

「レッド!」

「カーシャ。これはカズヤにも利点がある。己の実力を知らないと戦場では役に立たない場合もある」

「分かりました。お願いしますゴーンさん」

「ああ」


そこから近くの広場に行き

「両者構え」

「魔法は極力使わないでおく。全力で来い」

「はい」


僕は短剣を取り出す。

「ほう、短剣か」

短剣と斧じゃあ相性が悪すぎる。でも、やりようはある。


「行くぞ!」

おりゃー!と斧を振りかざす。

僕はすぐに回り込み仕掛ける。

「なかなかやるじゃないか」

と言いつつ、すぐに斧で防がれてしまう。


失敗したけど、前より体が軽く感じる。忍者のようになった気分だ。

「あれ?カーシャ。ここにいたの?荷物積むの…って何してるの?」

「あ!エクシア見てよ!」

「カズヤくん!?」

「大丈夫ですよ。ただの手合わせです」


「ちっ。すばしっこいやつだな」

「ファイアアロー!」

多重詠唱だから矢も3本。

できるようになった中級魔法も有効活用する。

ゴーンさんの体に直撃した。

「やったか!」


しかしこれは良くあるフラグで、

「甘いな」

煙の中を切るように斧が真横に振りかざされる。

「危ない!」

横からそんな声が聞こえてくるけど、

僕はシャドウバインドで敵の動きを遅く感じさせる。ひょいっとしゃがむ。

これは闇属性の中級魔法で覚えたら便利そうと魔導書を読んでいた時がある。

ここで役に立つなんて。


「なかなかやるな。だがもう終わらすぞ。ファイアバースト」


「王都で上級魔法か。まずいな…。エクシア、すまないが氷で対抗を…」

「ウォーターウォール」

僕は3つのウォーターウォールを展開する。

三重すれば何とかなりそうだからだ。


「ウォーターウォール?そんなので俺の魔法を止めれるわけない」

1つならね。

順調に勢いが弱まっていく。

「たかが初級魔法がいくつあろうと止まらねぇ」


僕はその間、さらに魔法を展開する。

「アイスエッジ」

まず、向かってくるファイアバーストを範囲の中をある程度凍らせるアイスエッジ。

残りのちょっとの威力はそれでも僕に矛先を向ける。

「アイスバレッド」

それをアイスバレッドで相殺する。

残りは

「アイスボール」

初級魔法のアイスボールでゴーンさんの脳天に向かうようにコントロールする。


「ぶはぁ!」

たかが初級魔法でもそれなりの魔力は込めたので倒れるくらいはする。


「ふぅ…」

「す、すごい…!」

「カズヤが強くなってる…!」

「あんなに緻密な魔法。しかも多重詠唱を上手く使いこなしている…」


「あ、えっと…」

「俺の負けだ。やるな我が弟よ!」

ゴーンさんは背中をバンバン叩いてくる。

あれ…?

僕は前回とあまりの違いに困惑していた。



《これからどんどん成り上がってくので見守ってください(*^^*)》

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