第45話急に強くなるわけないじゃん

僕達はレッドさんの住処までまた頑張って戻ってきた。

「やっぱり、あの時のまんまか」

「一年に一回は掃除しておいてるからな」

「それは助かる」


僕達はさっき座っていた椅子に座る。


「よし、そろそろカズヤの呪いを解いてやらないとな」

「あ、そうだ」

僕には呪いがかかってたんだった。


「カズヤ、魔力に触れてもいいか。ちなみに自慢では無いが俺は人の魔力に触れたらその人の過去を知れるんだ」

自慢じゃないかそれ。


「それならわざわざ僕から話を聞くことに意味は無いんじゃないの?」

「息子の話を聞くことに意味があるんだよ」

と頭を撫でられる。


「呪いの解き方は簡単。俺がカズヤの体に魔力を流して魔力暴走を起こして、呪いを壊す」

「え?」

「じゃあ、やってみるか」

「荒療治じゃん…」

僕は渋々手を差し出す。


お父さんは僕の手に触れる。

「…!」

「父さん?」

「いや、何でもない。今は呪いを解くことに集中する」

僕の過去でも見たのだろうか。まぁ、前世とは比べ物にならないくらい濃い内容だからね。


「よし、呪いは解けているよな?」

「ああ、解けている」

なんか体が軽い。それとポカポカする。


「魔力が俺よりちょっと少ないがこれだいぶあるんじゃないか?」

「我の2倍はある」

「嘘私より多く感じる…」

「今のカズヤくんに勝てるかな…?」

「何言ってるの姉さん?僕が憧れの姉さん達に勝てるわけないじゃん」


そんな簡単に強くなることなんてない。それは僕の今までの人生で証明している。

すると急にお父さんに抱きしめられる。


「お前…何で呪いのある状態でそこまで頑張ってたんだよ…」

「お父さん?」

「初級魔法しか使えないのは呪いのせいだ」

そうだったんだ…。だからどんなに頑張っても中級魔法を覚えることが出来なかったんだ。


「俺も最初この世界に来た時は少し苦労したけどカズヤはそれと比べ物にならないくらい頑張ってたんだよ…」

「お父さん、泣かないで…?」

「バカ!こんだけ息子が辛い思いをしてるのに…泣かないやついるかよ…」


周りの姉さん達まで涙出てるじゃん。


「イースト家。あいつの子孫か…。くそ、あの時ぶっ●●して置くべきだった」

お父さん、怖いこと言わないで?

「1日しかないのがこんなにも惜しいなんて…」

「大丈夫です。私達が責任もってあいつらを██して██します」

マナ姉さんまで怖いこと言わないでよ。目もハイライトなくなってるよ?


「ああ、頼んだ。あいつらは滅ぼしても国に何の影響もない多分」

一応貴族だよ?


「よし、カズヤ。もうお前は中級以上の魔法も使える」

「そんなこと言われても…僕魔法のお勉強はしてたけど上手くいくかな?」


「大丈夫。しかも鑑定がそれを証明しているから間違いない」

「鑑定?」

異世界でよく見る…あれ?





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