第41話勇者を生き返らせる方法
「カズヤくん、それは本当?」
「うん、白鳥拓也は僕の死んだお父さんだよ。この文字も前世にしかないものだからレッドさんも分からなかったのだと思う」
「そうか。魔力の質も似ているし、どこかタクヤと似ているところがあったからもしかしたらと思ったが…」
魔力の質が似てる。親子だったからそういう風になっているのかもしれない。
「それなら話は早い。今からこいつを生き返らせる」
「「「「生き返らせる!?」」」」
「レッド、どういうこと!?死んだ人を生き返らせるなんてできるはず…」
「ああ、どんなに時代を遡ったとしてもそんなアイテムや魔法はどこにもない。でもタクヤは自分を生き返らせる方法を作った」
「魔法を作った…?」
この中で魔法が1番得意なマナ姉さんが驚いている。多分魔法作るなんて普通の人からしたら無理なんだろう。
「1日だけだがな」
「1日だけ…」
「ああ。我はあいつを生き返らせるタイミングをずっと待っていた。
一つは転生者であること。この世界と転生前の世界を話したいらしい。
二つは呪いがかかっていること」
「呪いがかかっている?誰が呪いなんてかかっているのですか?」
と僕が聞くと、レッドさんは
「お前だ、カズヤ。」
「え?」
僕に呪い…?
「呪いなんて妖術が得意なわらわから見てもないぞ?お主、デタラメではないか?」
「デタラメではない。これは特殊な呪いで一部の人しか見えない」
「カズヤくんのお父さんはその呪いが解けるのですか?」
「そうだ。あいつなら解ける。自分もかかっていたからな。理由は分からないが」
お父さんが生き返る。一日だけだけど会えるんだ。そう思うと嬉しくなる。
「その方法はどうやってやるのじゃ?」
「それは剣を抜く」
「私たちでは無理でしたよ?他に誰が…」
「カズヤならできる」
「僕が?」
「転生者、しかも魔力の質が似ているほど、剣は抜きやすくなるようにあいつが設定したからカズヤなら抜ける」
「でも今使っていいのかな?お父さんの力って世界に危機が訪れた時とかに使った方が…」
と言うとレッドさんにぐしゃぐしゃ頭を触られる。
「あいつはそんなことのために生き返る方法を作ったわけじゃない。最後の思い出として1日生き返りたいと思ったから作ったんだ。しかも自分の息子に会えるならそれ以上嬉しいことはないと思うぞ?」
「うん、そうだよね」
僕もお父さんに会いたい。
僕は立ち上がって墓の後ろに刺さっている剣を見る。
ミスリルのでもミコト姉さんがくれたような剣ではなく、剣の柄には赤い球体がはまっていた。
「抜くよ!」
僕は思い切り剣を抜いた。
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