第39話【視点別】レッドの疑問

「そういうことなのか」

「そう。だから依頼が私たちのところまで来たの。それでその少女は?」

カーシャは主の所に戻ると言ってあの国を出ていってしまっていた。だから、こんなところで会うとは思わなかった。


まぁカーシャが召喚すればいつでも会えるがな。

「今すみれの花を取りに行ってもらっている」

「なんのために?」

「それは我がなぜこの場所にいるかに直結する話だな」


我は主とその仲間に水を渡す。

「我は前の契約者の命日が近づいてきたらいつもこの場所を訪れる」

「前の契約者なんていたの?」

「ああ、もう300年も前だがな」


そう言い、ふと少年を見るとどこか面影があいつに似ているような気がした。まさかな。


「それであいつはすみれの花が好きだったんだ。だからすみれの花が欲しいと思ったのだが…生憎見当たらなくて村の少女にお願いして今、群生地で摘むいでもらっているんだ」


「すみません。その…前の契約者って話を聞いている限り勇者っぽいんですけど…」

「ああ、そうだぞ」

「「「「え!?」」」」

「勇者と呼ばれていたな。懐かしい」

「す、すごい…」


「もう伝説のドラゴンじゃん…」

「おーいいぞ少年最褒め讃えても」

褒められるのは悪い気がしない。


「そういえば残りの仕事は全部終わった?」

「終わらしたぞ。これであのめんどくさい国王ともおさらばだ」

正直あの国王は好きではなかった。

竜騎士であるカーシャをこっぴどく使いやがって。


「ドラゴンさん!お花摘むいできたよ!」

「おーありがとうな。よしよし。ほら報酬の食料と鉱石とついでに鉱石を使ってネックレスと腕輪を作っておいたから持って帰りなさい」

「こんなにいいの!?」

「ああ、いいぞ。帰りは魔法で一瞬で家に帰らせてあげるからな」

「一瞬で家に?」

「私でもそんなことできませんよ?」

「まぁドラゴンにはお安い御用だ。何か忘れ物はないか?」

「うん!大丈夫!」

「じゃあまた何かあったらその腕輪に触れて教えるんだぞ。いつでも助けに行くからな」

「ありがとうドラゴンさん!」


そして我は転移魔法を使って、少女を家に帰らせた。

「レッドさんものすごく優しいんですね。かっこいい」

「まぁな。人間特に子供には優しくしろと勇者に教えて貰ったからな」


我はそう言い立ち上がる。

「ついてこい。勇者の墓にお供えしに行く」

「勇者の墓…?」

「ここにあるの!?」

「ああ」

我と少年達は洞窟を歩く。


「少年、名を聞いていなかったな」

「カズヤです!ドラゴンさんはレッドさんと呼べばいいですか?」

「ああ、そっちの方が気が楽だ」

「分かりました!」

純粋無垢な眼差しは将来の希望、勇者のような眼差しだった。

その後、彼女達からの自己紹介も受けカズヤと喋りながら洞窟の出口に向かう。

「ふふ、仲がいいみたいじゃのう」

「いいことだよー。私は嬉しいな〜」


それはそうとこの少年、カズヤには

鉄の鎖のようなそんなものが見える。


カーシャ達には見えていないのか…?

いや、見えていたら何とかするはずだろう。

なら見えていないということだ。

この鎖のせいで自分の潜在能力が出せていない気がする。


「カズヤ、魔法はどこまで使える」

魔法は強さの指標になる。

「一応全属性使えるんですけど、全部初級魔法までで…」

「あー!レッド、うちのカズヤを落ち込ませないでくれる?」

カーシャに怒られる。

「やっぱり斬るべきか?」

「まだ早いわ。ミコト、私の剣で先に…」

エクシアとミコトには剣を向けられる。この2人中々怖いぞ。


「すまない。悪気はなかったんだ。」

カズヤは

「気にしないでください。僕は何とも思ってないので」

と許してくれた。


でもこれで分かった。

この鎖を解けば最強をも超えるそれこそ

くらいの強さを持てると。


しかも我はそのを知っている。



《今までそこまで強くなれなかったかが段々と分かってきましたね…。明日も頑張って投稿します》

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