第38話ドラゴンさん、話をしましょう

洞窟はとても大きかった。

高さもダンジョンの中くらい高く、少し奥に行けばキラキラ光る鉱石があちこちにあった。


「これ、魔鉱石じゃない?」

魔鉱石とは空気中の魔力の練度が高いことから作られる鉱石。寝室の電灯とかはこの鉱石を動力源にしているらしい。

うんうん。本ってやっぱり役立つね。


「随分詳しくなりましたね」

とマナ姉さんに頭を撫でられる。

「偉いです」

僕は急に暑く感じてきて、マナ姉さんを直視することが出来ない。

「ウブな奴じゃのう」

「まぁそこがカズヤのいいところでもあるんじゃない?」


さらに奥に進むと、魔鉱石がなくなったせいか暗くなってきた。


「この洞窟どこまで続いてるんだろう?」

「曲がり道や行き止まりもないし…魔力の反応は濃くなってるから真っ直ぐでいいと思うけど…」

「この魔力どこかで感じたことあるような…」

「カーシャ姉さんも索敵使えるの?」

「当たり前だよ!空間魔法の派生である召喚魔法が使えるから言わば私は空間魔法のスペシャリストだよ?」

「そうなんだ。ちなみに空気ブロックは何個作れるの?」


「うーん、だいたい500個は作れるんじゃないかな」

「僕3個…」

「あ〜!それは多分私が魔力量多すぎるだけだよ!多分そう!絶対そう!だから気にしないで。ね?」

「うん…」

こんな感じで励まされ僕達は奥に進んでいく。


「見て!奥に開けた場所が見えるよ!」

退屈だった僕は1人、光が見える所へ進む。

「待って!そこに多分…」

「え?」

ドンッ!

今、僕の後ろにとんでもなく大きな物体がいると思う。

え?え?どうするのこれ?まだ死ぬには早すぎるよ?


僕は恐る恐る振り返るとそこには巨大なドラゴンがいた。

「おう、少年。何の用でこの巣窟に来た?」

ドラゴンが喋った。え?何で?

「え、えっと…」

僕は戸惑っていると

その瞬間、エクシア姉さんが飛び出してドラゴンに斬りかかった。


「ね、姉さん!?」

「ちっ」

「仲間がいたのか。迷子ではなかったんだな」

「ちょっとしか傷が入らない」


「エクシア!?カズヤ、大丈夫?」

「毒針!」

ミコト姉さんが妖術で対抗する。

「そんな細い針何本あっても効くわけなかろう」

と払い除ける。


「どれ、我も運動を…」

「ストップー!」

カーシャ姉さんに止められる。

「こんなところで何をやってるの。レッド」

「え?」

レッド?レッドって…

「カーシャ姉さんが契約した…?」

「そう。私の従魔」

「主!?どうしてここに!?」


「どうしたもこうしたもないよ。私が聞きたいよ。仕事は?」

と言うとドラゴンは急に小さくなり僕達の身長くらいに変貌した。

足もついてる。これって…

「竜人族?」

と僕が呟くと

「正確には我は竜人族でないがあの形態は魔力を使うからな。こっちの方が楽で…」

「で、レッド?私の質問は?」

カーシャ姉さんが怖い。


「と、とりあえずドラゴンさんお話しましょう!」

「そ、そうだな!」

「カーシャ!一旦落ち着きましょう?」

「分かったよ…その代わりちゃんと今までのこと話してもらうからね?」

「はい…」

怖いよ…普通にドラゴンまで萎縮するレベルだもんこれ。



《カクヨム甲子園出場します!頑張って賞取るぞー!》

読んでいただきありがとうございます。星☆や応援コメントが励みになるのでお願いしますm(_ _)m






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る