第37話ドラゴンを倒しに行こう!

「想い人というのは誰なんですか?」

マナ姉さんが食い気味に聞く。


「ほほ、それはわしにも分かりません。ただ、しばらく会えていないとだけ言っていたそうで」

「でも勇者は魔王を倒した後、国の王女と結婚したのですよね!」

「あれは物語を楽しく終わらせるためのものですよ。実際は姿を消して当時すごく話題になったとエルフの方から聞きました。」

「それじゃあ会えずに…?」

「それは分かりませんのう。もしかしたら会えてたのかもしれないし」


この世界に来て初めて読んだのが勇者の物語だった。姉さん達と一緒に読んだこともある。

まさかそんな裏側があるとは知らなかった。

そもそも実在していたとは思わなかった。


「もし神域が荒らされたら、わしらは先祖達に顔向けできません。どうか一刻も早くドラゴンを倒して孫娘を救ってくれませぬか?」

「任せてください!絶対助け出します!」

僕は胸を張って言った。


ドラゴンの向かった方向に巣があると狩りをして帰ってきた人達から情報をもらった。

「どのくらいの距離にありますか?」

「今から向かえば夜あたりに着く」

今はお昼だから半日か…


「お願いします!早く娘を助けてください!」

「これは行くしかなさそうじゃの…」

「姉さん達は休まなくて大丈夫?」

「大丈夫に決まっておる」

ミコト姉さんだけでなくみんな大丈夫と言ってくれた。

本当は明日行くつもりだったけど…


「今すぐ向かいます!」


もしかしたら泊まりになる可能性があると食料を分けてくれた。

「くれぐれもお気をつけて。」

と村の人達に見送られる。


「ここをまっすぐかな…?」

「うん。あってるよ」

エクシア姉さんと地図を見ながらひたすら山の中を歩く。

「カーシャのフェンリルですぐに向かえないのか?」

「無理だよ。移動ってなったら魔力めっちゃ使っちゃうし。5人乗れるかもわかんないし」

そのため移動は徒歩だ。


「疲れますね」

「大丈夫?マナ姉さん。これお水、良かったら飲んで」

「ありがとうカズヤ。助かります」

「それはマナ用の水筒?」

「ううん。僕のだよ?」

と言うとマナ姉さんが咳き込む。


「な、何で自分の渡してるのですか!」

「だってマナ姉さん辛そうだったから…」

「カズヤは間接キスなんて気にしてなさそうだよマナ?」

「か、カーシャ!そんなこと私は最初から考えていません!ただ喉が渇いただけで…」


その水筒は結局マナ姉さんの物になってしまった。


「洞窟だ」

「この奥にドラゴンがいるみたいだね」

エクシア姉さんが空間魔法索敵を使って調べた。優秀すぎる。


「まずドラゴンのタイプを知ることが出来ないと戦いようがないから気をつけようね」

「そうなの?」

「そうだよ。ただ火を吹くだけじゃなくて土とか水とか光魔法を使うドラゴンにも会ったことがあるよ」

とカーシャ姉さんが教えてくれた。


「よし!姉さん達、頑張ろうね!」

「うん!」

「主様はわらわが絶対に守るからな」

「魔法ならお任せください」

「カズヤくんは私も守るからね!」


洞窟の奥に進んでいく。




《えっちぃなやつってどうなんですかね?どこまでがセーフなんでしょう?読む人で性的な描写が苦手な人はいますか?今後書く可能性があるかもしれないで教えてください》


読んでいただきありがとうございます星☆や応援コメントが励みになるのでお願いしますm(_ _)m








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