第35話最初の依頼はドラゴン退治
「おはよう主様、よく眠れたか?」
「おはよう。まぁよく眠れた方だと思うよ」
これは嘘。寝れるわけないじゃん。
10日間は姉さん達がいなかったから安心して眠れたけど、姉さんと寝ると、その…意識するから眠れない。
エクシア姉さん、マナ姉さん、カーシャ姉さんは慣れたから安心、唯一ミコト姉さんだけはその前に押し倒されそうになったことがあったからそれ以来ドキドキしてしまう。
「ん?どうかしたか?」
「い、いや!何でもない!」
それから食堂に行って5人揃って朝ご飯を食べた。また2年前に戻ったみたいで嬉しかった。
「準備は出来ましたか?カズヤ」
「ちょっと待ってマナ姉さん!後ペンダント持っていく」
「それは嬉しいですね」
ペンダントはマナ姉さんからもらった物だ。
何でも魔力のコントロールを補助してくれるらしい。
「少ない魔力で同じ威力の魔法が打てるようになるよ」
「それって結構すごいことじゃあ…」
「まぁね。それじゃあ行きましょ!」
僕の手を繋いで姉さん達がいる所へ向かう。
改めて思うけどマナ姉さんは美人だ。
1国の王女だからというのもあるかもしれないけどこんな人と手を繋げるなんて前世の僕は考えもしなかっただろう。
「こっちこっち!早く中入ろうよ!」
カーシャ姉さんは相変わらず明るい。
そこも僕は結構好きだ。
ギルドの中に入って、受付の人に招かれる。
「今回お願いしたい依頼はこちらです」
「ドラゴン退治…」
「珍しくダンジョンの素材ではないんだね」
「はい。ギルドマスターがダンジョンばかり行かせるのはやめておきたいという意向で通常Sランクのパーティーにお願いしてるところを今回エクシア様のパーティーに受け持ってもらうことにしました。」
ちなみに僕らのパーティーはどのような風になったかと言うと、
リーダーは何故か僕。こういうのはエクシア姉さんが得意だと思ったけど難しいことは全部副リーダーになったエクシア姉さんがやってくれるからいいと言われた。
それでパーティーランクはメンバーの中の平均ランクになる。
僕は表向きは盗賊ギルドを全滅ということになっているからCランクに昇格していて、
この10日間、姉さん達はダンジョンにこもっていたらしく、深淵層にまで行ってるらしい。
その実績からミコト姉さんはSに昇格、
マナ姉さんは元々Cだったらしく、それがAに昇格、カーシャ姉さんは一気にBまで上がったらしい。
「いや〜フェンリルちゃんのおかげだよ〜」
「となるとパーティーランクは…」
「Aになりますね」
「結構上なのではないかエクシア?」
「そうだね。Aのパーティーは5つしかないから結構上だね」
おーとしか言えなかった。
「村は北西のサウンド村です。馬車で3日といったところですかね」
「そんなに遠いのですか?」
「地上での依頼はこの都市周辺まで請け負っているので。他のギルドでも同じです」
「ドラゴン退治って被害を及ぼしているから倒して欲しいとか?さすがに私達は信仰の対象になっているドラゴンは倒したくないよ?」
「ご安心を、作物を荒らしたり、家屋を破壊されたり一昨日は少女を連れ去られたり…」
結構やってるなドラゴン。
「分かりました。引き受けます」
「では今すぐ出発してください」
「え?今すぐですか?」
「はい。これ緊急なので」
と左手で見えなかった緊急の文字が。
受付嬢さんに嵌められた。
「少女の救出のこともありますし、ね☆」
「分かりました。すぐ向かいます」
僕達は一旦家に帰って荷物を新たにアイテムボックスの中に入れ、旅立った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます