第30話【視点別】マナの過去
「私達は3人で寝るの?」
「宿は1部屋しか取れなかったのでそうなりますね」
「まぁよいではないか。それにエクシアは今頃…」
「エクシアが!?」
エクシアに先を越されたくない。どうしよう。もしそういう雰囲気だったら…
「マナが焦ってるところ久しぶりに見た」
ゲラゲラとカーシャが笑う。
「それにしても主様が前世を知っていたなんて…」
「私も聞いた時びっくりしたよ。どうりで小さい割には大人びた感じがしたよ」
そう言われると過去の自分は何を思ってあんなことを考えたのか問いただしたくなる。
「マナ気にするでない。主様ももうこれ以上言ってこない。優しすぎるからな。だからこれからの行動で示せばよい」
「そうですね。ありがとうございます」
「それにしてもマナ変わったね」
「え?」
私が変わった…?
「昔は敬語なんて使わなかったし、実験ばかりしてたから」
確かに私は変わったと思う。
「カズヤのおかげかな?」
「主様がか?」
「うん」
カズヤはそばにいなくても私を助けてくれた。
~~~~~~~
私が小さい頃は大人しい子だった。
エルフが多く住む小さな国、メナスタシアの第三王女として生まれた。
私は魔法に秀でていて、家族の中でも1、2番くらいだった。
もっと魔法を知りたい一心で社交ダンスや剣技をやらずにひたすら自室で本を読んでいた。
そのせいか周りから距離を感じた。
母や父、兄、姉と話さない日もあった。でも大好きな魔法を学んでいるから苦ではなかった。
久しぶりにお忍びで外に出た時、と言いつも私はお忍びの格好なんて知らなかったので普通の格好で街にあるパン屋でパンを買って食べていたら
「あれがマナ様?」
「初めて見たわ」
「何でも王様が手を焼いているんだとか」
「ご兄妹はご立派なのにねぇ」
その時はただ悲しかった。私だって魔法頑張ってるのに誰もそのすごさを認めてくれない。
メナスタシアは小さな国だ。しかも長命なエルフが多くいるため時間の流れも長く感じる。
私はこの状態のままではダメだと思った。
私は父と母に旅をさせて欲しいと言った。
自分の実力を、知りたいと。
もちろん最初は無理だと言われた。
エルフはこの王国以外にいる人は少ない世界にとって希少種になる。それの第三王女が1人で旅なんて馬鹿げてると言われた。
でも私は必死に説得して、最後は半ば無理矢理出て行った。
自分は魔法が使える天才だと思い込んでいたからこの先大丈夫だと思っていた。
だけどうっかり奴隷商に捕まった。その時は絶望していたがある1人の男の子が助けてくれた。
人間。勇者の物語でしか人間なんて見た事がなかったけど私はその人がその物語に出てくる勇者に見えた。
聞けば名前はカズヤと言うらしい。カズヤは私たちに住むところをくれた。しかも私には魔法の実験をする部屋をくれた。
私はそのお礼に特大ポーションを作って資金に宛ててもらうようお願いした。最初は遠慮していたけど受け取ってくれた。
しかもカズヤは知識が豊富にあった。
私が自室でこもって作っていた雷魔法の応用したものを電気と言っていた。
「すごいよ!マナ姉さん!」
私は心底嬉しかった。
この人は私を認めてくれた。だから私はカズヤのことが好きにもなったし、一生仕えようと思った。
けど…ある日父から手紙が来た。
「一旦戻ってきなさい。」
帰りたくなんてなかった。
けど私たちがこのままカズヤといたらカズヤは私たちに頼りきりになると思った。
私はカズヤに自立して欲しいと思ってエクシア達にも相談し一旦距離をとることにした。
その後、重大な過ちを犯していたと知らずに。
《書ききれなかったのでもう1話ください!後もう1つ、???の視点別を書きます!》
追記:明日はその2話を投稿出来るように頑張ります!
読んでいただきありがとうございます( . .)"
星☆や応援コメントが励みになるのでお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます