第15話強くなるために

「ありがとう、エクシア姉さん」

「これくらいのこと頼まれなくてもしてあげるよ」

「少し、浮かない顔をしてますね」

「い、いや何でも…」

言いかけたところでミコト姉さんに頬を引っ張られる。


「素直に言ってください。ちゃんと受け止めますから」

「2年間、僕頑張ってきたんだ。姉さん達に会えた時、立派だと思ってくれるように。

でも、こうして頼ってばかりで結局何も変わってないなと思って…」

武器も姉さんからもらったものだし、

「十分立派ですよ」

「え?」

「だって頼れるところは頼って、どこか自分に出来るところは全力でやり遂げる。それを考えられてるだけで立派だと思いますよ」


「でも、姉さん達にまだ何も出来てない。」

「私達は主様のことが好きだからこそやっていることです。主様に見返りを求めているわけではありません。けど、どうしてもっていうなら…」


「お昼食べた後にダンジョンに行きましょう」

とにこやかに言う。


「ミコト、昨日ダンジョンで嫌なことがあったばかりだ。それをまた次の日に行こうとするのは…」

「主様、自分の実力を確かめたくはありませんか?」

確かに知りたい。今自分がどのくらいのレベルなのかを自覚したい。


「確かめたい」

「それじゃあ、行きましょう。でも本当に危なさそうになるまで私達は助けません。それでもいいですか?」

「ミコト、流石にそれは…」

「エクシアは少し甘やかしすぎです。これは私達にとっても今の主様のレベルを知ることは重要なことなんですから」

「そうだよね。僕もどこまで行けるか知りたいんだ。だからエクシア姉さんに見守って欲しい」


「分かった。じゃあ時間のこともあるし5層までにしましょう。5層は比較的に行くのに時間はかからないし、ボスはDかたまにCだけどギリギリやり合えると思う」


僕たちはお昼ご飯を軽く済ませ、(あーんされたが今は断った。)ダンジョンに向かっ

た。


「キィキィ!」

「…」

パッシュ!

「無詠唱…」

「しかも氷属性。前までは4属性以外、雷しか使えなかったはずなのに」

「氷属性練習したんだ。エクシア姉さんが使ってる時かっこよくて…」

「カズヤくん…!」

「抱きしめに行こうとしないでください。前に敵がいるんですから」


「ゴブリンくらいなら難なく倒せると思うよ。」

「ファイアアロー!」

3体のゴブリンをまとめて仕留められた。

よしよし、最近使ってなかったけど衰えてないな。


「多重詠唱ですか?」

「うん。まだ無詠唱では出来ないけど、ここは森じゃないから火が使えて嬉しいね」

「もしかして1人で魔の森に行ってたの?」

「浅い所までだけどね。実践としてたまに行ってたんだ」

「…」

「やっぱりたまに見に行くべきだった…」

「仕方ないですよ。ここから馬車で1週間ですから」

「え?3日で来れたよ?」

「多分、死の谷を越えてきたのでしょう。最短馬車に乗ってきたのですか?」

「たまたま乗っちゃったかも…」

だからあんなに薄暗かったんだ。


「よく生きてたね。良かった」

と頭を撫でられる。


話が逸れてしまったけど、僕は2層まで魔法を使って倒していく。

3層からは

「次は足!」

「ウギャッ!」

ホブゴブリンとかウルフを剣で倒していく。


「明らかに上達している」

「そうですね。ここまでの強さだとは思いませんでした。これくらいだと何ランクくらいですか?」

「Cランクは確実。Bかは怪しいラインだと思う」


「エクシア!主様がゴブリンに囲まれています!」

「…!カズヤくん大丈夫!?今そっちに…」

「大丈夫だよエクシア姉さん。よくあったから慣れてるよ!」


「ダーク」

これは闇属性で狭い範囲で視界を見えづらくする初級魔法だ。

囲まれた時はだいたいこれでいける。

「ファイア、アイス、サンダーボール」

術者からは見えるのでそれぞれ3つずつ多重詠唱して倒した。


「9個の多重詠唱…?」

「私でも出来ないわよ。そんなこと」

「簡単だよ!まだ僕が使えるのは1つ属性で3つまでしか多重詠唱出来ないから属性を3つにすることで9個出せるようにしたんだ」

これに気づくのには苦労したなー。


「エクシア」

「分かってる。多分相当努力しないとあれは無理。本当に頑張ってたんだね」


何を言ってるか聞こえなかったけど

「あ、魔の森にいたよねこいつ」

出てきたブラッドウルフをすぐに対処して、

僕達は下の層に向かった。


そしてこのボスを倒せば終わりなんだけど…

「まさか…亜種のファイアキメラ!?」

「ファイアキメラって確かBランク相当ですよね?」

「他にキメラが通常通り2体いる。」

「エクシア、少し状況がまずいです」


「大丈夫だよ。」

「いくらカズヤくんでも無理。私が…」

僕は姉さんたちを止める。

「本当にやばくなったら…でしょ?修行の成果見ててよ」

何故か僕はあいつを倒せると思った。

死に物狂いの修行をしたから。


《バイトもあって予約投稿忘れてました(^_^;)3つを両立させるってハードですね笑》

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