第13話あの日の事件の真相
「というかミコト姉さん」
「はい。なんでしょう」
「どうやってここまで商会を大きくしたの?」
「それは、主様のおかげです」
「僕のおかげ?」
「言葉で伝えるより、見せた方がいいですね?百聞は一見にしかずですよね?」
「うん、そうだね」
ちゃんと覚えてくれてて嬉しかった。
しばらく商会内を歩くときらびやかな部屋に連れてこられた。
「これは…」
「お客様に取り扱ってるものを見てもらうために用意しました。」
ショールーム的なものかな?
「これって…」
「はい、主様に教えて貰った編み織り機です。」
僕は歴史の授業でたまたま知った、昔の編み織り機というのを教えたことがある。
「でも、あれちゃんと説明してないよね…?」
「それはマナと相談しました。電気?というものも使おうとしましたが無理だったので主様が言っていた下のペダルを踏むことで糸を回すようにしました」
「す、すごい…」
あのちょっとの説明でこんなに再現出来るなんて…
他にも美容品とかネックレスなどの装飾品もあった。
「後、試作品なんですけど「ドライヤー」というものを作らせてもらいました」
「え!?本当に!?」
「はい。意外と簡単に作れてしまったので品質は主様が求めているものより少し落ちてしまうと思いますが…」
とドライヤーを見せてくれた。
「すごい…どうやって使うの?」
「魔力を少し流してください。そしたら中にある、風魔法と熱魔法が自動的に発動してくれる仕組みです」
試しに流すとおーすごい。ちゃんとドライヤーだ。
「それは試作品ですので差し上げます。主様に使いましょう」
「そうだね。けど私にも使わせてね?」
使いましょう…?
少し嫌な予感がしたけどつっこむのはやめておこう。
「今日はこれからどのようなご予定で?」
「商会来た後のこと決めてなかった」
「アストレアを散策しない?まだカズヤくん昨日来たばっかりでしょ?」
「それでいきなりダンジョンに潜ったんですか?」
「だって、一度は潜ってみたかったから…」
少し沈黙になる。だって夢だったからしょうがないじゃん。
「まぁそれはともかくアストレアについては私がご紹介します」
「私の方が詳しいから私がやるわ」
つまらないことで喧嘩しないでください。
「じゃあ2人にお願いしてもいいかな?」
「お任せ下さい」
「美味しいところ連れてってあげる」
殺気の飛ばし合いが収まって良かった。
「あ、先に素材出しにいってもいいかな?」
「そういえばそうだったね」
「エクシアの狩る素材は状態がいいので結構な値段になるんですよ」
「そうなの?」
「異空間を覚えてからだいぶ楽になったからかな?」
異空間、空間の中級魔法だ。
アイテムボックスとも呼ばれていて漫画で読んだ時かっこいいと思ってたものの一つだ。
「いいな…」
僕は初級魔法までしか使えない。だからできるのは真空とか狭い範囲で索敵くらいだ。
「大丈夫!入れて欲しいものがあったらカズヤくんも入れられるし、初級魔法でも十分冒険者のなかではすごい方だよ」
「うん、そうだね。ありがとう」
エクシア姉さんはやっぱり優しい。
「私にも異空間的なものはありますので利用できますよ」
「妖術にもそんなことできるの?」
「はい、我が一族でも覚えている者はごく少数ですが」
妖術は基本、妖狐族しか使えない。
それにしてもミコト姉さんがそのごく少数に入ってるって…
「姉さん達全員強いの?」
「まぁ、確かに…」
「マナも魔法の天才でカーシャも召喚魔法の天才ですから…」
「マナ姉さん魔法使えるの?」
使ってるところを一度も見た事が無かった。
「私より魔法だけで見れば圧倒的に強い」
「全適正ですからね」
「全適正!?」
あの何年かに1人の逸材…?
「姉さん」
「うん?」
「僕達が初めてあった時何で捕まってたの?」
これだけ強いなら普通、奴隷商にさらわれたりしないよね?
「私は…さらわれるのもありかなと思って。どこか遠くに行けるかもって思ったし」
「私は魔の鎖に抗えなくて逃げ出せる機会を伺ってました。後で聞いた話によると、カーシャは楽しそうだからついてきた、マナは気分転換に、と言ってました」
1番ミコト姉さんがまとも。他の3人は何で?
「まぁいいや。でもそのおかげで今すごく楽しいから」
「カズヤくん…!」
「主様…!」
2人に両サイドから抱きしめられる。
「街道のど真ん中でやめてよ、恥ずかしい…」
「何で2年も会わずにいられたのでしょう…こんなにかわいいのに」
と離してくれない。
通り過ぎるにこやかな視線と冷たい視線から目をそらすように僕は俯くしか出来なかった。
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