第4話

その後私たちは毎週のように会った。

相性が良かったのか会うとホッコリとするようになってしまった、私も彼女も一緒にいる時間をより多く求めるようになり、結局2人は結婚という流れに向かうことになった。互いに年齢が、私38,彼女29という現実の中でより結婚は差し迫っていたのかもしれない。

 半年後、結婚をした。私は実家の近くにアパートを借り新婚生活をスタートさせた。彼女の律儀な性格で私は毎日が規則正しい生活を送ることになった。

信夫との山歩きも疎遠になってしまい、信夫も休日が手持ち無沙汰になってしまったようだ。

 そんな折、信夫と2人暮らしをていた父親が急逝してしまった。

彼の家はアパート10数件を持つ資産家で父親は地銀の支店長を務め、彼には3000万円の預金通帳を残していった。実は、残された資産は兄と妹とも等しく相続するはずであったが同居していた父親から預かったままになっていた。

 或る日、孤独感に苛まれていた信夫を会社の同僚がフィリピンパブに誘った。もともと酒が好きな信夫が断るはずがない。しかも親から預かった大金を持っていた。

 信夫はもともと無口で口下手だったので、たどたどしい日本語と簡単な英語を話すフィリピン娘に夢中になっていった。彼女らはお金に敏感で信夫が大金を持っていることがわかると花に群がる蝶のようにやさしく振舞った。女性に免疫のない信夫は彼女らの行為が親切心に思えて益々夢中になった。

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