第9話10歳の誕生日
とうとう、10歳の誕生日となった。メイドさん達や、両親で準備をしているらしいから、その間、ギルドの簡単なクエストや、訓練をして、暇を潰す。そして、晩御飯の時間になったら帰ってくる。
とりあえず、ゴブリンの依頼と、スモールボアの依頼それと、アクアラビットとと言う魔物の討伐をする。
ゴブリンとスモールボアの依頼は、前と同じように、テキパキと進めていく。
よし、次はアクアラビットの依頼だ。
アクアラビットは、ゴブリンやスモールボアと違い、その名の通り、水魔法を放ってきて、すばしっこい大型犬サイズの兎だ。
音感知を使って探索して行くと、意外と簡単見つかった。ぴちゃぴちゃと言う足音が聞こえるためだ。
今まで、スモールボアやゴブリンは、闇討ちとかで倒して来たけど今後も見越して、アクアラビットにタイマンを挑むつもりだ。総じてラビット系の魔物は騎士道が強く、群れであってもタイマンで挑んでくる。
軽足と、隠れ身は解除しアクアラビットの前へと出る。すると、アクアラビットはタイマンをしに来たと理解したのか、
『きゅぅるぅー!』
と雄叫びのような鳴き声を上げ、臨戦態勢に入る。
アクアラビットが牽制で水球を放ってくる。
が、左にステップして、回避する。しかし足に木の枝が引っかかって転んでしまった。
やはり森は足場が悪いな。
と悪態をつきつつも、素早く体制を整える。最近覚えた鑑定眼と言うスキルで、アクアラビットがレベル3で、自身より格上な事が判明しているので、鬼気を巡らせ、スキルの鬼門を発動する。
鬼門は、相手が自分よりも格上であればあるほど、総合的な能力や、ステータスが上がる。という効果で、相手に鬼門状態を付与する。
逆に格下に鬼門を発動すると、相手が格下であればあるほど総合的な能力やステータスが上がって、今度は自身が鬼門状態となる。
という激強スキルだ。そしてアクアラビットに向けて鬼技の雷小鬼を発動し、アクアラビットに向けて某ポケモソの電気ショックのようなのを放つ。
するとアクアラビットがダメージとともに、麻痺して動きが少しの間止まったため、電気のネットを手から放ち捕獲する。
そして首チョンパ。
倒せたため、討伐証明の魔石と、水の魔力が篭っている謎の器官を取り、アイテム袋に入れ、街に帰還した。
受付嬢へと討伐証明の素材を渡すと、めっちゃニコニコの前の様な鋼鉄の営業スマイルではなく、本心からの笑顔で、
「その歳でアクアラビットを倒せるなら、将来はものすごい大物になるかもですね!」
と言われたので
「いえ、それほどでも無いですよ。そろそろ家に帰らないと行けないので。」
って返した。見込みがあるって分かったら、鋼鉄の営業スマイルから本心の笑顔に変わるんかな?これがこの世界のキャバクラか・・・ともかく家に帰ろー。そろそろ時間やー、鐘が鳴るぞー。
家に帰る。この玄関を開けたら、両親や、メイドさん達が帰っているのかなと思うとワクワクが止まらない。玄関を開けると・・・
「「「「「10歳の誕生日おめでとう(ごさいます)!!!」」」」」
と言われた。料理は物凄く豪華で、貴草と軽鴨のスープ、ふわふわパン、タツボアの丸焼き、アブラトラウトのムニエル、俺は飲めないけど、高級そうな、ドン・テキーラ印と書かれているワインがある。そして誕生日ケーキも、この光景を見ると、転生前と現在どちらが良いのだろうか・・・と疑ってしまう。
「ありがとう!!」
と返す。
顔から思いっきし喜色が滲み出ているクロードが
「誕生日プレゼントに、これをやろう」
といい、とてつもない魔力を感じる杖をニ杖くれた。今までは木製の杖を使っていたからめっちゃ嬉しい!
片方は、黒い長杖で、先端がぜんまいのようになっていて、丸まっている所に歪む様に穴が空いてて、その穴の中心で謎の力で野球ボールを、ひとまわりふたまわり大きくしたような碧色の魔石が浮いている。
もう片方は、白い短杖で、先端に穴が空いており、そこを覗くとちっちゃいが、とてつもない力を感じる淡い紫色の魔石が入っている。
次は、身体中から喜色を滲ませたロザートが、
強い魔力を感じる黒鉄のような金属でできた鉄輪っかと、同じく強い魔力を感じる黒鉄のような金属で出来た刀や槍や鉤爪など色とりどりの様々な武器を貰った。
聞いてみると、この武器達は使用者とともに成長し、使用者が望むように進化したり、カスタマイズできるらしい。
黒鉄の鉄輪っかは、この中に武器を収納することができ、持ち主が望んだ武器を中から瞬間的に取り出せるという性能だ。この魔道具は、持ち主に登録することで、常に持ち主が武器を取り出したかったり、取り出しやすい所を浮遊するという性能のようだりこの魔道具の名前は『黒鉄のアイツ。』というらしい。
次は、メイド達からアイテム袋の上位互換である、アイテムボックスの魔法のスクロールを貰った。
魔法のスクロールというのは、魔力を込め使用しただけで、魔法を習得できるというトンデモアイテムだ。
そして、アイテムボックスというスキルは、料理等を入れても冷めてしまったり、食材だと腐ってしまったり、と言うことが無くなる。その上、容量は無限というスキルだ。歩けるようになったばっかの時見つけたスクロールは多分これだったのかな?
ていうか良いのかな・・・
こんな多分国宝クラスのものまで貰ってしまって・・・
それに、とても美味しい料理も・・・
思わず涙が溢れそうになるが、ぐっと堪える。
その時にふと思った。
ああ
なんて自分は幸せ者なんだろう・・・
と
後書き的な
この話を書いてる時にねぇ、
家に帰ったら誕生日を祝われるかと思ってたけど、実はメイド含めた家族が何者かに惨殺されていて、誕生日プレゼントだけ持って逃げて、そのまま入学試験に挑むっていうのを考えたけど、やっぱ辞めた。まぁいずれ主人公の家族は殺します。
スキル:鬼門
東洋のとある島にて、1人の鬼がいた。その鬼はか弱かった。
だが、とある強者にむかい挑戦し続けた。何度も何度も狂気じみた行為を繰り返す内に、運が良かったのと、その強者の老衰のお陰で勝ててしまった。
そしてまた、強者を探した。来る日も来る日も強者を探し続けた。だが、あの日挑み続けた強者以上に強い存在はいなかった。
そう、なぜならあの日倒した者が島で1番の強者だったからだ。だがそれでも鬼は強者を探し続けたのだ。
その強者を探す旅で、またその1人の鬼は強くなってしまった。
それこそ、挑み続け、運と老衰のお陰勝てたあの強者並の強さへと。
そしてある日、その鬼は悟ってしまった。もうこの島に、自分以上に強い存在は居ないのだ。
と、その寂しさ故なのか、郷愁に駆られるかの如く、強者に挑み続けた場所で、その鬼は退屈に過ごした。
だがある日、1人のニンゲンという生き物がやってきた。そのニンゲンは『佐野無歳』と名乗った。
このニンゲンならば、刀をを二刀流にして構えているんこのニンゲンならば、と思ったが、そのニンゲンは弱かった、か弱かった。
だが、そのニンゲンは挑み続けた。来る日も
来る日も、そしてある日自分が病魔に襲われてしまった。そのニンゲンは今日も挑んできた。
ニンゲンは、島の中央にある特別な木を削って作られた木刀を携えてきた。そのニンゲンも強くなっているため、ある程度本気で戦っていたのだが、病魔と不幸の積み重ねによってそのニンゲンが『岩流れ』と発した瞬間細切れにされてしまったのである。
佐野無歳伝 巖龍島の戦い
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