第6話

次の日鐘がなると孤児院の前に馬車が到着した。


「ラルクくれぐれも失礼のないようにね」


「大丈夫だよ。シスター」


ごしゃが扉を開けてくれたのでお礼をいい馬車に乗り込んだ。ごしゃは高級そうな生地の正装を孤児が身に纏っているの不思議そうに見ていた。


馬車が出発し伯爵家に着くと執事が出迎えてくれ、応接室らしき部屋に案内された。出された紅茶やお菓子を楽しんでいると、扉が開き護衛らしき人物を連れた三十代くらいの男の人が入ってきた。


「待たせたな。私が領主のクリス フォン アレクサンダーだ」


「お初にお目にかかります。ラルクと申します」


「うむ。君は天使様から物を買えるそうだが?」


「はい。天界貿易と言うスキルを使い買い物が可能です」


「詳しく聞いてもいいかね」


「はい。魔道具はこの世界にない物との条件がありますが、他は制限なくこの世界にある物やない物も買えます」


「ならこの世界での希少品も手に入るのだな?」


「はい。魔道具でなければ可能です」


「その服もそのスキルでか?」


「はい」


「はぁ。部下から聞いていたが、本当だったとは君はこのスキルの危険性を理解しているかね?」


「はい。下手な権力者にバレれば利用され、下手をすれば奴隷にされるかもとは考えていました」


「どうやら馬鹿ではないようだな。なら大丈夫か」


「何がですか?」


「実はな我が領地の反対側にある公爵家と、婚姻同盟を結ぶために娘をお見合いさせたいのだが距離がある上に、近い日程で格の合うパーティがなくて困っていたんだ。そこで君だ。何かいい方法は無いかね?」



「なるほど物事の重要性を認識できない人間には話せなかったから先の反応なんですね?」


「その通りだ。漏れれば確実に横槍が入るからな」


「失礼ですがご予算はいかほどで?」


「白金貨百枚までなら出せる」


「わかりました。天使に聞いてみましょう。天界貿易発動」


「やほ。呼んだ?」


「うん」


天使に事情を話すと提案を2つもらった


「遠距離通信はいくら?」


「白金貨30枚で買える最高級魔石二つかな」


「あれ、思ったより安いんだね」


「天国にいる職人が暇つぶしに作ったやつだしね」


「暇潰して」


普通暇潰しでそんな高性能な魔道具作らないぞ


「後は飛行艇か。この領地の反対側に行くのにどれくらいかかる?それといくら?人手は?」


「三時間かな。値段は白金貨七十枚で買える最高級魔石一つかな。自動AIが搭載されてるから指示するだけでいいよ」


「うーん。やっぱ直接あった方が人となりがわかるから飛行艇かな。でも伯爵様に確認してからでもいい?」


「いいよ。ほんじゃあ一旦帰るね」


「天使様が現れるとは聞いていたが、本当に見れるとは」


伯爵は天使がいた方を見て祈り出してしまった。


「あの、伯爵様」


「ああ、すまん。で、どうだった?」


「聞いてみた所、遠距離通信用の魔道具か、飛行艇を提案されました」


「遠距離通信はおとぎ話に出てくるからわかるが、飛行艇とはなんだ?」


「はい。それは空を飛ぶ魔道具です」


「空だと!」


「はい。私といたしましては、直接会ってお話しできる飛行艇をおすすめします」








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