第5話
「うん。呼んだ。モニカ。開拓者セットを金貨三百枚で買えるだけほしいんだ」
「いいけど。次からはお金じゃなくて、魔石や素材なんかにしてね。この世界から使えば使うだけお金がなくなるわ」
「あ、そうだよね。ごめんね」
「いいわよ。それより開拓者セットね」
モニカはそう言うと袋に手を入れてかなりの数のセットを取り出し地面においた。
「これが金貨三百枚分よ」
お〜お山盛りだ
「お役人様。これで終わりました」
あれ? 呼びかけに返答がない
「あ〜あ、取引を邪魔されないように時間を止めてあるわ」
「まじか〜 さすが天使」
「それじゃあ。またね」
「うん。バイバイ」
「君、あれは天使様じゃないのかね?」
「はい。そうですよ」
「はい。そうですよ。じゃない! 天使様と言えば創造神様の眷属であらせられるのだぞ! 知っていればもっとしっかりとした場を用意したものを!」
「まぁまぁ落ち着いて」
「誰のせいだと思っとるんだ!」
それから一時間くらいお説教をされてしまった。あ〜疲れた
そうこうしてるうちに終了の時刻になり僕は特別報酬がでて、金貨二枚をもらいギルドへ向かった。
中に入ると受付のお姉さんに声をかけた
「いらっしゃい。どんな御用かしら?」
「金貨二枚で買える最高の魔石を下さい」
「わかったわ。取りに行ってくるから少し待って頂戴」
「はい」
魔石は内包している魔力量で価値が決まるのだ
「はい。これが金貨二枚で買える最高品よ」
「ありがとうございます」
ギルドをでると孤児院に帰宅すると四歳になる男の子達駆け寄ってきた
「ねぇ。おにいちゃん。遊ぼう」
「いいよ。何する?」
「おにごっこ」
「わかった」
「わぁーい お兄ちゃんが鬼ね。よういどん」
それからおにごっこをしたら疲れて甘いものが欲しくなったため、隠れてスキルで買ったクレープを食べていると
「あ〜にぃにぃが何か食べてる!」
小さい女の子に見つかってしまった。
「にぃにぃわたちにもちょうらい」
「しょうがないな」
一口だけ食べさせて上げた
「甘い〜 もっと」
「はいはい」
女の子にクレープを分けていると、女の子の集団が近寄ってきた
「お兄ちゃん。それなぁに?」
「あ、ねぇねぇ、これ甘くて美味しいんだよ」
「「「甘いですって!」」」
「兄さん私にも下さい!」
女の子達が集団で目の色を変えて奪おうと襲ってきた。
「わかった。わかったから落ち着いて」
足りなかったので先程の魔石の残金でクレープを追加購入した
「「「美味しい」」」
女の子達は満足そうな笑みを浮かべていたが、こっちは余計な出費でトホホである
「あ、ラルクこんな所にいた。御領主様から使いが来て、明日九の鐘がなった頃に迎えに来るそうよ」
「わかりました。シスター」
「御領主様にお会いできる服なんてないわどうしましょう?」
シスターはかなりオロオロしていた。無理もない。この孤児院の運営資金は御領主様から出ているんだから。少しでも機嫌を損ねるわけにはいかないのだ。今着ているのは古着の古着でとても御領主様の前に出られる服装ではない。仕方ないか
「シスター大丈夫だよ。天界貿易発動」
目の前に穴が空き天使が出てきた。
「呼んだ?」
「うん。子ども用の正装の服が欲しいんだ」
「了解」
天使はそういうと袋に手を入れて子ども用の服を取り出してくれた
「はい。これが正装よ。料金は残金で足りるから問題ないわ」
「了解」
「またね」
シスターや子ども達は呆然と立ち尽くしていた。
「はい。シスター。これで問題ないよね」
「ええ。て、先のは天使様。どういうことラルク!」
混乱しているシスターにスキルのことを説明した
「反則ね。貴方のスキルは」
「なんでも手に入るの? じゃあ私服とお菓子が欲しい」
「にぃにぃ。わたちもほちい」
「「「私も」」」
「わかったからひつくな」
子ども達が物凄い勢いでしがみついてくるので服がやぶれそうだ
この騒動は院長が呼びに来るまで続くのだった。
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