第9話:それよりもう襲ったの?
「恋のライバルってなに?」
「文字どうり恋のライバルだよ」
「あのな・・・
「なに意味不明なこと言ってんだよ」
「お兄ちゃんこそ何言ってんの?」
「わたし〜子供の頃からお兄ちゃんのお嫁さんになるって決めてたんだからね」
「今でも、そうなりたいって思ってる・・・」
それを聞いたプリンちゃんは、まじですかって呆れた顔をした。
「いや、いや、いや、
「なんで?、私たちほんとの兄妹じゃないじゃない」
「だってさ、戸籍上じゃ兄妹なんだから」
「そんなのただの紙切れでしょ」
「でも世間体が・・・」
「なに、じじくさいこと言ってんのよ」
「あの〜ふたりとも私を無視して話してません?」
「あ〜プリンちゃん、ほったらかしてごねん」
「気にしなくていいからね、今のは妹の、たわごとだから」
「たわごとってなによ」
「それよりもう襲ったの?」
「襲った?・・・襲ったって?・・・なに?襲ったって」
「お兄ちゃんがプリンちゃんを・・・だからもうエッチしたのかって聞いてるの?」
「何、言ってんのおまえ・・・」
「その返事次第で状況が大きく変わってくるの・・・」
「ねえ、エッチしたの?」
「しましたよエッチ・・・
「え?プリンまで・・・濃厚って、超ハードって?・・・」
「うそ・・・もうやっちゃったの?お兄ちゃんと」
「初ちゃんは私の恋人だもん、当然でしょ」
プリンは勝ち誇ったように言った。
「私より先に?・・・」
「なにしてくれてんのよ、プリンちゃん・・・この淫乱女」
「淫乱ってなに・・・この子、クチの悪い妹だね、初ちゃん」
「いやいや、一奈、プリンは悪くないから・・・」
「でもやっちゃってるんだから、どっちが悪いってことないでしょ」
「ってか、もちろんプリンちゃん同意の上なんでしょうね?」
「それともやっぱりお兄ちゃんが無理やり襲ったの?」
「プリンちゃんて未成年でしょ・・・それってダメくない?」
「なにひとりで決めにかかってるんだよ」
「お前だって未成年だろ?」
「って言うかさ・・・もうなんでそこばっかにこだわるんだよ」
「だって私、この時点でプリンちゃんに出遅れてるもん」
「エッチしてる人としてない人の差って大きくない?」
「そういう問題じゃなくて僕は一奈とは恋人同士にはなれないし、僕もそういう
つもりはないってことだよ」
「だから、ここで恋人宣言しても無意味だし無駄なの、分かるか?」
「え〜それって、私にお前にはチャンスはないって言ってるのと同じじゃない」
「な、分かったろ・・・分かったら納得して帰れよ」
「そうなんだ・・・でも、残念でした、私、そんくらいじゃ引き下がらない
からね・・・
ますます闘志がわいてきたから・・・」
「あのな・・・諦めの悪い女だな・・・」
「怒る気にもならんわ・・・むしろ
「なによ滑稽って・・・バカにして」
「とにかく、大学に入学するとき、ここに引っ越して来るからね」
「それまで、ふたりとも顔洗って待ってなさい」
「私、絶対プリンちゃんに負けないからね・・・」
その言葉は一奈のプリンに対する宣戦布告だった。
つうか一奈にプリンとはエッチしてないよって言いそびれたけど、
すでにプリンとエッチしたってことになっちゃってる訳だから、まじで既成事実
作っとかなきゃダメだろ。
一奈が引っ越して来る前にプリンとエッチしとかなきゃいけなくなった
じゃないかよ。
つづく。
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