5話「パピよん☆は見た」

 ◆◆◆


「やっぱり、あいつ持ってる……僕の作った魔導書グリモアル

 少年は呟いた。

 彼が──パピよん☆として丹精込めて作った魔導書だ。

 ランクCの『魔導書操作』の迷宮内異能を持っている彼は、迷宮の外でも自分が作った魔導書であれば存在をかすかに感じることができる。

 溝口アカリ。

 あの優等生気取りの女子が、どうして魔導書を持っている?

 クラブチームか何かで探索者をやっているのだろうか。

 でも、そんな素振りはない。そもそも……。

「あいつFランだろ。なんで……」


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る