第41話 必勝法


裏路地をとぼとぼと歩くカート。


食えない男だった。


カートはヘルスメンに終始言いくるめられていた。


身なりも、匂いも、あのにやけた口元も気に入らない。


それでも、憎たらしいのに変な愛嬌がある。


胡散臭いのに説得力がある。


そんな不思議な男だった。


「…どうする、フェラクリウス。

 あいつの言った通りにするか?」


返事が無い。


あれ?とカートが振り返るとフェラクリウスの姿が無い。


「あんあんキャッスルのキャシー?

 ちょっと乱暴だな。ベテランだしな。

 プレイ中にもすげえ説教してくるんだよなぁ。

 まぁ…そこがよくてついつい

 指名しちゃうんだけどな!」


戻ってみるとフェラクリウスはヘルスメンに金を払って風俗情報を聞いていた。


「おっさん!

 行くぞ!!」


カートに引きずられるようにしてフェラクリウスは裏路地を後にした。

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