第50話 友達

午後の授業は、上の空だった。

柚希のことが頭の中でぐるぐるして、まともにノートも取れず。


6限の終わりを告げるチャイムが鳴って、よし帰るかと思い、カバンを背負う。

今日、泰正は部活があって足早に教室を後にしている。


自分の椅子を机の下に収納し、ドアから教室を出ようとしたその時、俺は声をかけられた。

「南條君。少し、いい?」

隣の席の白本さんだった。

授業中にペアワークやグループ活動で一緒になることはあったけれど、授業が胃で話すのはなんだかんだこれが初めてのこと。向こうから話しかけてきたことも相まって、緊張してしまう。


「いいよ、何か用?」

「うん、柚希のことなんだけど。あ、古賀柚希ね」

「あ、え?白本さんって、知り合いなの?古賀さんと」

彼女の口から出てきた人物の名前に、俺は少し驚いてしまう。


「知り合いっていうか、中学が一緒で」

「あー!同じ中学の知り合いがいるみたいな話してたけど、あれ白本さんのことだったのか」

「うん。それでね、今日学校来てないって連絡あったから心配になったんだけど、昨日南條君柚希と出かけたじゃん。それで、何か変わったところとかなかったかなって思って…それが聞きたかったの」

「そういうことね…」

俺は日菜に呼び止められた理由がやっとわかって安心すると同時に、昨日のことを思い出して胸がきゅっとなるのを感じた。


(どうしよう、ここで正直に話した方がいいのかな…それとも黙っておいた方が古賀さんのためになる?)

俺は少し迷ったのちに、俺は意を決して昨日会ったことを話すと決めた。

誰かにこのモヤモヤを吐き出さないと、押し潰されてしまいそうだったから。




------------------------

【作者の一言】

どうも、山代悠です。

本作の作者です。


近況ノートの方でたまーに独り言を呟いていたりしますが、今回はこちらであとがき(?)を書かせて頂こうと思います。


さて、今回のお話で、50話を迎えました。

これは1つの大台かなと考えています。


これは私だけでは達成できませんでした。

読者の皆様が、僕の紡ぐ物語を読んでくださったこと、何より今も読み続けてくださっていること。

これがなければ、私は10話も書かずにこの小説を削除していたことでしょう。


この場をお借りして、読者の皆様、本作に1度でも目を通してくださった方々に感謝申し上げます。

本当にありがとうございます。


そして、この物語はまだまだ続きますし、私の書きたいことも全然書き切れていません!笑

ですのでこれからも、この作品を読んでいただきたいですし、

私も皆様に楽しい作品をお届けできるように、精一杯書かせていただきます!


というわけで、山代悠からのお礼コメントでした!

また次のお話でお会いしましょう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る