第11回「ペン回し」

(Goo辞書に項なし)


 私ができるペン回しは一種類しかない。それも、やっていると手がどんどんペンの上の方に移動してしまって、それがカタツムリがゆっくり枝を登るのに似ているので、勝手にカタツムリと名付けていた。


 私が唯一誰にも負けない自信を持っていることがあって、それはペンと箸の持ち方がきれいなことである。きっちりしている人でも変な持ち方をしていることは意外にあるし、それだけでなんだか幻滅してしまう。


 といっても、いまでは大学のレポートは全てPCで打ち込んでいるし、ノートを取る習慣もあまりないので、日常生活でペンを持つこと自体少ない。持たずにただテキストを眺めているだけだと先生に目を付けられるので、見かけ上持つことはある。

 文字を書く機会があまりに少ないせいか、この間など漢字の「成」やカタカナの「タ」を書こうとして一瞬出てこなくて本気で焦った。


 とある洋画で、理系のハッカーか何かのキャラが常にペン回しをしていて、人に殴られてもすぐにペンを拾って回し始めるシーンが印象に残っている。何の映画だったか忘れてしまったので、分かる人がいたら教えてほしい。

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