第76話
俺とエレンが出立の準備を整えていると、トゥーナさんがやってきた。
「客間へ来て。」
今まで呪いのせいで喋る事が出来なかったからか、まだ口数が少ないようだが、こうして喋る姿は何だか微笑ましい・・・・胸に目がいってしまうのは・・・・ごめん。
俺とエレンは客間へ向かった。
・・・・
・・・
・・
・
「入るよ。」
一応ノックをして、入室する。
今、オリビアさんとピンク・ポーク氏は和やかに談笑をしているように見えた。
ついさっきまでは何だったのか、という程刺々しい雰囲気だった。
まあ、どうなったかは分からないが、和解?したのであればいいだろう。
「エレン、こちらに居るのはピンク・ポーク氏で、ボプさん達の正体を教えてくれたんだ。」
まずエレンにピンク・ポーク氏を紹介した。
「ピンク・ポークだ。貴方がエレン・エッフェン殿で合っている?」
「私がエレン・エッフェンで間違いない。ボプ殿の正体を看破してくれたと聞いた。」
「彼等は闇の勢力に支配されている、若しくは洗脳されている。そして今回彼等は去る時に恐らく置き土産を、有り体に言えば返却したアイテムを闇の勢力が有利になるような仕込みをしてあったと考えている。」
「エレンの所持していた武器と防具のうち、ボプさんから返却されたのは手元に無いんだ。」
俺はピンク・ポーク氏に報告をした。
「それでは何処にあるんだい?」
「私の実家に返却した。」
「返却?それでは今まで実家から持ち出していた武具で戦っていたって事かい?」
「不本意ながらそうなる。もっと早くに返却すべきだったのだが、私が呪われている間実家に戻る事が許されなかったので、仕方なくずっと使い続けていた。」
「では今この場に闇の勢力が残していったアイテムは無い、という事かい?」
「闇の勢力というのが私にはわからないが、ボプ殿から返却されたアイテムのうち、私の物は既にない。」
あれ?マーク2とか弐式ってどうしたっけ?
「なあエレン、確かボプさんから返却された武器や防具って、それぞれ2つだったよな?もう一つはどうしたんだ?」
「一番性能がいいのは手元にある。余分にあっても仕方がないので、借りた礼も兼ねて実家へ託した。」
うわ、エレンの実家がどんな所か分からないが、置いてきた剣や鎧は誰か使う予定があるのだろうか?
もしそうなら一刻も早く回収しなくては!
『ちょっといいかのう?』
うわ!じいちゃんが出てきた・・・・俺の魔力が増えたから、寝っ転がっていなくても短時間なら行動できるんだったっけ。
『先に儂が知らせへ向かってはどうかのう?それに折角じゃ、孫を幾つか預けるから、連絡手段や荷運びに使うと良いぞい。地脈を通る事は出来るからの。』
じいちゃん、孫がいたのか!
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