第75話
オリビアとピンク・ポークが深刻な表情(ピンク・ポークは被り物を装着したままなので、雰囲気)で対峙していた頃、身ぎれいになったヘイマンスがエレンを探しに移動を開始していた。
直ぐにアンチェが見つかり、
「エレンはまだ気を失っているのか?」
するとアンチェが、
「たった今起きた所ですよ!着替えているから何処かで待っていて・・・・リビングがいいかなあ?客間はほら、オリビアとピンクちゃんが近寄りがたい雰囲気でにらめっこしているし?」
よくわからんが今はエレンだ。
俺はリビングで待つ事にした。
屋敷には個室以外にも幾つか部屋がある。
客間然り、リビング然り、ミーティングルーム然り、会議室然り・・・・なんだか同じ用途の部屋がある気もしないではないが、まだ沢山部屋があるからいいだろう。
倉庫や用途不明の部屋もあり、個室はまだ沢山ある。
大部屋も幾つかあり、パーティーを想定した部屋なんだとか・・・・そんなのしないが。
あ、食堂でもよかったんじゃ?でもオリビアが食事を作っているし、今行っても食事にはありつけないか。
で、暫く待っているとエレンがやってきた。
「ヘイマンス殿、ご迷惑をかけた・・・・急ぎと聞いているが、何かあったのだろうか。」
そう言えばエレンって何処かに出掛けていたっけ。だからピンク・ポーク氏の事知らないんだよな。
「ああ、その・・・・ボプさん達の事で、正体が判明したみたいなんだ。で、ここからが問題なんだが、ボプさん達がダンジョンから戻った時に、謝罪しつつ俺達の武具やアイテムを返却しただろう、あれが罠だったみたいなんだ。」
「ヘイマンス殿、一体どういう事だろう。」
これでは分からないよな。
「俺もまだ詳しくは分かっていないんだが、ボプさん達は闇の勢力という組織?に操られているのか精神に攻撃を受けているらしく、俺達へ返却したアイテムや武具に悪い影響が出るよう細工をして返却したらしいんだ。細工なのか物自体へ何か魔法みたいなので闇の勢力にとって都合がよくなるよう手を加えた、みたいな、まだ分からないが。で、エレンが持っている剣と防具にも当然ながら何かしていると思うんだ。」
「何・・・・それでは・・・・どうすれば?」
「俺のカバンは処分してもらっている。なのであの剣と防具は何らかの措置をとるか破壊するしかない。」
「何て事だ・・・・私は新たな剣と防具を得たので、以前から使っていた武具は実家に返してきたばかりだ。」
成程、だから暫くいなかったのか・・・・実家?やっぱり貴族なのか?
「可能であれば事情を説明し、返した武具を取り戻した方がいい。」
「わ・・・・わかった。」
エレンは何とも無さそうだからひとまず安心だ。
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